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「『恋だの愛だの』」
Ⅰ 四面楚歌

【8】虎の威を借る狐

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虎の威を借る狐

     【本来は弱い者が、バックに大物を従えて自分を強く見せること】


「梅君!!」

「苗床さん」

 ぜえぜえと 息が上がっている

 悪いことしたな
 僕のメール見て すぐ 全力で走ってきてくれたんだ

「大丈夫ですか?なにも そこまで 急いでくださらなくても…」

「だ、大丈夫!そっ、それより!!!」

 ばっ

 苗床さんが 僕の腕をがっとつかんだ。

「どうしたの!?桃ちゃんに 何か あったの!?」

 必死の形相だ。

 …うれしいな…。
 こんなに 姉さんを大切に思ってくれてるんだ。

 胸の中が ほわっとする。

「ねぇ、梅君?!」

「ご、ごめんなさい 苗床さん。そんな用件で来たんじゃないんです」

「へ?」

「姉さんは 元気に 楽しく 学校生活送ってます。心配 要らないですよ」

「そ、そぉ…」

 ほぉぉー
 苗床さんが 安堵のため息をもらす。

「本当に ごめんなさい」

 さっと ポケットに常備している おりたたみ櫛を 取り出した。

「すっかり 髪 乱れちゃいましたね」

 言って 彼女の髪を梳こうと手を伸ばした。

「触るな!!」

 っ!?

 思わず 手が止まる。

「…?椿君?」

整った容姿の背の高い男子が
 かすかに 息切らせながら その場に立っていた

 こいつは
 見覚えがある

 中学校時代のほんの一時期
 姉さんが 淡い想い 抱いてた 同級生

 全然 相手にしてもらえず
 姉さんのほうも 今では すっかり熱が冷めたようだけど

 それでも むかむかしながら見ていたアルバムの中の男だ

 背後から 苗床さんをがっしり抱え込んで 僕をにらみつけてる。

 もしも 視線が レーザー銃仕様なら 完全に 焼ききられてるだろう。

 ふぅ
 なぁんだ

 苗床さん もう 彼氏もちなのか

 姉さんを相手にしないなんて
 女性を見る目のない男と思ってたけど

 ちゃんと 苗床さんのような素敵な女性 選んでる辺り

 この男 どうやら 顔だけじゃないらしい

「ちょっと 椿君!失礼だよ?梅君は 私の髪 とかそうとしてくれただけだって!」

 苗床さんが 彼氏をたしなめてくれる

「んなもん 俺がやってやる。櫛かせ!杜若からのプレゼント持ってるだろ?!」

 おやおや
 すごい独占欲だな これは
 
「いや…自分でできるから…。それよりさ…」

「なんだよ」

「初対面でしょ?まず 挨拶したら?先輩でしょ?」

「くっ…」

「あ それなら 僕から名乗るのが 礼儀ですから」

 改めて 椿って男の目を見つめる
 
「姉が お世話になってます。よろしくお願いします」
 
 自己紹介しおえて ぺこりと頭を下げれば

「椿初流…だ。こちらこそ よろしく」

 僕をにらみすえたまま 超低音なあいさつを返してくる。

 苗床さんの手前 体裁は繕ってるけど
 『こいつ 気に食わない!』オーラが ばんばん にじみ出てる。

「ところで 梅君 桃ちゃんのことじゃないなら どうして わざわざ 宝高まで?」

「今日は 校外研修で この近くで現地解散だったんです」

 用意していた 紙袋を差し出す。

「これ、姉から。この前選んだ服に合わせて 作ったカチューシャです、って」

「っ!桃ちゃんが?私のために!?」

 ぱぁぁぁ

 苗床さんの顔が一気に明るくなって ほほに紅がさす

 ああ
 やっぱり いいな

 自分のことより
 人のために 笑顔になる人って 本当に素敵だ

「ありがとう!ね、見ていい?」

「もちろんです。よろしかったら つけてみせていただけませんか?
 もし、サイズあわなかったら 直したいって 姉が」

「うん!」

「ありがとうございます…ところで…」

「ん?」

「あの…場所…変えませんか?僕たち 皆さんの お邪魔になってる気が…」

「ああ…だね…」

 校門周辺には 大勢の宝高生が鈴なりになって 十重二十重に 僕たちを取り囲んでいた。





 場所を変えて 腰を落ち着けたファーストフード店

「じゃ、つけてくるから!」

「はい、いってらっしゃい」

 うきうきした様子で 苗床さんは 紙袋を抱えて 化粧室に消えた。

「…おい…!」

 とたん
 それまで ぶすっとしてた 椿さんが 僕に声をかけてきた。

「はい?」

「何年だ?」

「中等部1年です」

「はっ!ついこないだまで ランドセルしょってたガキってわけだ」

「意外ですね」

「…何が」

「椿さんは 外見や年齢で 人を差別しない 大人な人かと思ってました」
  
「…っ!」

  じろっと 僕をにらみつける。

「…悪い。今のは 失言だった、忘れてくれ」
 
  が
  あっさりと 自分の非を認めた。

「はい、気にしてません、大丈夫です」

  ふぅん

  姉さんが 一時期とはいえ(ここ重要!)
  この人を 好きだったのも 少しわかる気がする。

「お待たせー」

「あ、おかえりな…」

「っ!!」

「え?な、なに?変?似合わない?」

「あ、いや…」

「お似合いです!すっごく 可愛いです!苗床さん!」

「そ、そう?ありがと 梅君」  

「あの服着て そのカチューシャつけてるとこ 想像したら 楽しくなります!」

「まぁね、あの服着てたらいいけど、さすがに 今の制服には…」

「もっと抑えた色の落ち着いたデザイン選べばいいんです。
 苗床さん カチューシャ すっごく よく お似合いですよ!」

「勧め上手だねぇ 梅君。
 ビジュアルもいいし、ブティックのスタッフやったら 超はまるよ」

 ぎんっ!

 椿さんのレーザー仕様視線は ますます 威力を強めてきた。

 …あれ…?

 もしかして

「…彼氏にねだって 買ってもらえばどうですか?さほど 高いものじゃなし」

「そんなのいないし。いたとしたって 自分で買うほうが 気が楽!」

 ぐぐぐっ!

 椿さんの握りこぶしが 固く絞られ小刻みに震えてる、

 ふっ

 なぁんだ

 まだ なのか

 じゃあ 僕にも チャンスは あるじゃないか。

「苗床さん また うちに 夕飯食べにいらしてくださいね」

「あー、でも、そんなしょっちゅう…」

「姉が はりきって ごちそうこしらえるし 僕ら みんな…」

 ちろっと
 椿さんに 視線を走らせる

「苗床さんのこと『大好き』ですから…!」

「あ、ありがとう、梅君!」

 苗床さんは にっこり 微笑んでくれた。

 そして
 その隣にいた男は

 僕を殺しかねない目つきで
 すさまじいブラックオーラを撒き散らしている。

 どうやら
 『わかって』くれたようだ

 向こうは 同級生
 こっちは 3歳も年下

 多少 ハンデがあるのは 認める

 でも

「姉は いつもいつも 苗床さんのうわさばかり してますよ」

「…も、桃ちゃんが…」

 ぽぽぽ
 真っ赤に染まる かわいいほほ

 大丈夫
 勝算は 十分ある

 なんせ
 僕には 最強のバックがついてるんだから。 







   
 
























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