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「『恋だの愛だの』」
Ⅰ 四面楚歌

【10】外柔内剛

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外柔内剛

  【一見 穏やかで優しそうに見えても、内にはぼうぼうと熱い闘志を秘めている】

「ただいま。会長から CD預かってきました」

 例によって 会長に ごちゃごちゃ話しかけられ すっかり時間をくってしまった。

「あ、お、お疲れっ!」

「やあ 椿君 ご苦労様」

「…?苗床…は?」

 カバンもない…?

「ああ それが…」

「なんか メールが来て、それみたとたん 血相変えて 飛び出してった」

「…え」

「『友だちの一大事なんで 今日は部活 早引きします』って」

 ???

 何事だっ!?

 即 苗床の携帯にかける。

 …が 出ない!

「なんか すっごいあわててたから…間違って 電源切っちゃってるかも…」
 
「すみません!俺も 今日は 早退させてください!」

「うん!もし 俺たちに できることあったら 言ってね!」

 名前どおり お人よしな部長の声に送られて 廊下に飛び出す。

「えー!?何!?何なの!?あの人ごみ」

「なんかね!苗床さんを 超美少年が 出待ちしてるんだって!」

 !?

 窓際にたかっていた野次馬どもから 剣呑な単語がもれ聞こえる。

 あわてて やつらの背後から 正門のほうをのぞく

 すごい人だかりのぽっかりあいたドーナツの穴部分に 苗床がいる。

 誰かと話しているようだが ここからは 顔は見えない。

 だが
 男ってことだけは わかる!

「そこをどけっ!!」

 はじかれるように 人だかりが 割れた。

 弾みをつけて 開け放たれた窓を飛び越した。

「きゃぁぁぁぁあっ!椿君!?」

「あ、あぶない!ここ3階ー!!」

 うるせぇな!

 ここのすぐ下には、機械室の屋根がある。
 せいぜい 1階分の高さしかねぇんだよっ!!!

 なんなく着地した機械室の屋根から また地面に飛びおり 最短距離で正門に走る。

 男の顔が見えてくる

 !

 ヤツだ!

 花井弟
 画像の中で 苗床をいとしそうに 見つめてた あいつだ!

 気安く 苗床の髪にふれようとしてやがる!!

「触るな!!」

 男の手が止まった。

 驚いたように 振り返る。

 …なるほど…。

 花井の弟なだけあって 画像で見る以上に美形…だ。

「…?椿君?」

 きょとんとした顔で 苗床が振り返る

 乱れかけた息 必死に整えながら そばに近づく。

「ちょっと 椿君!失礼だよ?梅君は 私の髪 とかそうとしてくれただけだって!」

 コイツはぁ~!
 ヤツのでれでれした表情 見えてねぇのか!

「んなもん 俺がやってやる。櫛かせ!杜若からのプレゼント持ってるだろ?!」
 
「いや…自分でできるから…。それよりさ…」

「なんだよ」

「初対面でしょ?まず 挨拶したら?先輩でしょ?」

「くっ…」

 俺の気も知らないで!こいつは!!

「あ それなら 僕から名乗るのが 礼儀ですから」

 花井弟が 改めて 俺に向き直った
 
「姉が お世話になってます。よろしくお願いします」
 
 ていねいに自己紹介されて ぺこりと頭を下げられれば

「椿初流…だ。こちらこそ よろしく」

 しぶしぶでも 返礼しないわけにはいかない。

 この白い学ランは…中高一貫教育で名高い名門私学。
 うちとは 常に 有名校進学率で競い合ってる ライバルだ。

 ってことは
 おつむのほうは 姉とは 似てないらしい。

「ところで 梅君 桃ちゃんのことじゃないなら どうして わざわざ 宝高まで?」

「今日は 校外研修で この近くで現地解散だったんです」

 花井弟が ちっこい紙袋を差し出す。

「これ、姉から。この前選んだ服に合わせて 作ったカチューシャです、って」

「っ!桃ちゃんが?私のために!?」

 ぱぁぁぁ

 苗床の顔が一気に明るくなって ほほに紅がさす。

 ちっ
 花井に関するときだけ こんな満面の笑顔しやがって!

 俺には ぜってぇ こんな顔 見せてくれないのに!

「ありがとう!ね、見ていい?」

「もちろんです。よろしかったら つけてみせていただけませんか?
 もし、サイズあわなかったら 直したいって 姉が」

「うん!」

「ありがとうございます…ところで…」

「ん?」

「あの…場所…変えませんか?僕たち 皆さんの お邪魔になってる気が…」

「ああ…だね…」

 やっと 気付いたか!

 おまえら ずいぶん前から 見世物パンダ状態なんだよ!!







 連れ立って いつものバーガーショップに腰をすえる。

「じゃ、つけてくるから!」

「はい、いってらっしゃい」

 苗床は 紙袋を抱きしめて トイレに消えた。

「…おい…!」

 そのすきに
 ヤツに 問いただしてみる。

「はい?」

「何年だ?」

「中等部1年です」

「はっ!ついこないだまで ランドセルしょってたガキってわけだ」

 情けない!
 つい 一月前まで 小学生だったようなガキに いらついてるなんて!

 どんだけ みっともないんだ 俺は!!

 くそっ!いらいらする!

「意外ですね」

「…何が」

「椿さんは 外見や年齢で 人を差別しない 大人な人かと思ってました」
  
「…っ!」

 こいつ!

「…悪い。今のは 失言だった、忘れてくれ」
 
 確かに
 関係ない 年なんか。

 自分で自分が イヤになる。

 ダメだ
 苗床がからむと 俺は 俺でなくなる!

「はい、気にしてません、大丈夫です」

 花井弟は さわやかに微笑んだ。

 …胸が ざわざわする。

 コイツ もしかして 意外に強敵…か?

 いや
 単に 俺が 見当違いな嫉妬してるだけだ!

 苗床は 別に 誰もが振り向くような美少女ってわけじゃねぇし!

「お待たせー」

「あ、おかえりな…」

「っ!!」

 さわやかなサテン地のブルー
 絶妙な配置で ピンクの小さな花が刺繍で入ってる

「え?な、なに?変?似合わない?」

 カチューシャ一つで 印象が全然違う

「あ、いや…」

 やばい
 すっごく可愛い!

「お似合いです!すっごく 可愛いです!苗床さん!」

 っ!
 ガキに 先を越された!

「そ、そう?ありがと 梅君」  

「あの服着て そのカチューシャつけてるとこ 想像したら 楽しくなります!」

「まぁね、あの服着てたらいいけど、さすがに 今の制服には…」

 むかむか

 『あの服』!?

 俺には わからない共通な話題で もりあがりやがって!

「もっと抑えた色の落ち着いたデザイン選べばいいんです。
 苗床さん カチューシャ すっごく よく お似合いですよ!」

「勧め上手だねぇ 梅君。
 ビジュアルもいいし、ブティックのスタッフやったら 超はまるよ」

 苗床ーっ!
 何 愛想振りまいてやがる!

 こんなガキに!

「…彼氏にねだって 買ってもらえばどうですか?さほど 高いものじゃなし」

「そんなのいないし。いたとしたって 自分で買うほうが 気が楽!」

 ぐぐぐっ!
 思わず こぶしに力が入る

 こいつ
 さりげに 探りを入れやがった!

 ふっ

 目の前のガキの口元が 緩んだ。

 っ!!

「苗床さん また うちに 夕飯食べにいらしてくださいね」

「あー、でも、そんなしょっちゅう…」

「姉が はりきって ごちそうこしらえるし 僕ら みんな…」

 ちろっ
 ヤツが 俺に視線を合わせる

「苗床さんのこと『大好き』ですから…!」

「あ、ありがとう、梅君!」

 このやろう…!

 俺の気持ち 見抜いた上で

 真正面から
 この俺様に 宣戦布告しやがった!

 ガキの分際で 生意気な!
 てめぇなんぞ 俺様の相手になるもんかっ!!

「姉は いつもいつも 苗床さんのうわさばかり してますよ」

「…も、桃ちゃんが…」

 ぽぽぽ
 苗床のほほが真っ赤に染まる

 花井の話題が出たとき限定の 満開笑顔…。

 くっ!

 目の前のガキなんざ
 どうにでも ひねりつぶしてやるが

 バックに花井がついてるとなると…

 一気に血の気が下がる

 や ば い !

 にんまり
 俺の目の前で ヤツがいやみに笑う

 はっ!

 上等だ!!
 
「苗床…」

「ん?何 椿君」

「食うか?これ」

 いちごオレに飾られてる苺 つまんで見せる。

「えええ!?どしたの!?いつもは 一個もくれないのに!」

「なんだ いらないのか」

「わー!いる!いります!ちょうだい!!」
 
 差し出してきた手を無視して 口元に持っていってやる

「はい?」

「ほれ、あーん」

「い…いや そんな 子どもみたいな恥ずいこと…」

「あっそ」

 手を元に戻しかければ ひしっとすがりついてきた

「ごめん!もらう!もらいます!」

「最初から そう言やぁ いいんだよ」

 ぽんと 口の中にほうりこんでやる。

「うまいか?」

「うん!ありがとう!」

「…っ」

 ガキは 多少 青ざめた顔で俺たちを見ていた。

 そのなまっちろい顔 真正面から にらみすえる

 これが 返事だ 花井弟!

 受けてたってやる!
 せいぜい 姉貴とタッグ組んで 俺様に向かってきやがれ!

 





















 
 



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