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「『恋だの愛だの』」
Ⅰ 四面楚歌

【23】白眉

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白眉(はくび)

          【集団の中で 最も秀でた人物、作品】


「苗床がっ!?卓球の部、個人優勝!?」

「そ、卓球場は 蜂の巣ひっくり返したような大騒ぎ。
 卓球部キャプテンでさえ あっさり 負けちゃって…」

 さゆりが トーナメント結果差し出しながら 報告する。

 …おかしいな…。

 俺が調べた限りでは
 あの子は 中学時代 一切 部活には 参加してないんだが。

 極秘ルートで入手したスポーツテストの結果も はっきりいって並以下なのに

「バスケでは 圧倒的に椿君が MVPだし。
 卓球も 1年が優勝なんて 宝高 始まって以来の大快挙だし」

「男女1名ずつ選出される MVP。この分じゃ 1Gが…」

「決定しましたニャン!!MVP!!」 

 本部席に待機させてた猫田兄弟が 放送ブースに走りこんできた。

「1G 椿&苗床!1年G組が独占ですにゃ!」

「…よし 取材に行くぞ!MVP特集だ!!」

「「はい!!」」



 …?
 なんだ??

 閉会式が始まる時間だというのに
 体育館は なにやら 雑然とした雰囲気だ。

 何かを遠巻きに見ているような…?

 ひょいっと人垣の背後から 中心部を覗き込む

 っ!!!

 苗床!
 …と 椿!

 な、なんなんだ!?その体勢!!

 彼女をお姫様抱っこで抱え上げ
 優しく見つめて いまにもキスでもしそうな…

 苗床も!
 なんで ヤツの首に手を回してるんだ!

 無警戒にも ホドがある!

 狼とも知らず
 その胸に飛び込んでる子うさぎがっ!
 
 胸に湧き上がる怒りを必死に押さえつける。

「椿君!苗床さん!おめでとう!!」

 人垣をかきわけ 彼らのそばに近づき、明るく声をかけた。

「へ?」

 椿に何やら抗議してたらしい苗床が 俺のほうを振り返る。

「…あ…」

 それでようやく
 自分たちが 周囲の注目の的だという現実に気付いたらしい。

「お、おろして!椿君!!私、のろいの視線で 殺されるよっ!!」

「…ああ…」

 ちっ
 舌打ちの声が 響くような声音で ヤツがしぶしぶ彼女を離す。

 じろっと 俺をにらんできた。
 読心術は使えないが 言いたいことは よくわかる。

 「余計なジャマしやがって!!」…か。

 その目を 真正面から 睨み返す。

 すると
 椿の目が 驚愕の色で大きく見開かれた。

 だが それも一瞬

 すぅ…っ
 その目が すわる。敵愾心に満ち満ちたようすで…。

 にっこり 笑顔を作って さらに 彼らに 話しかけた。

「二人とも MVP受賞だよ。優勝とあわせて Wでおめでとう!」

「MVP?」

「つ、椿君はともかく!わ、私が!?」

 いぶかしげな声の椿(どうやら MVP制度も 初耳だったらしい)
 対照的に よく知ってたらしい ものすごく意外そうな 苗床の声

「もちろんだよ、苗床さん。1年生で卓球個人優勝なんて快挙、前代未聞だしね」

 すっと彼女に 手を差し出す。

「本当におめでとう。心から 祝福するよ」

「…は、はぁ ありがとう…ございます」

 先輩からの 明確なジェスチャーに
 人前で拒むことはできなかったらしい。

 彼女は 素直に俺の握手を受け入れた。

 きゃしゃで可愛い手だ。
 その手を 離すのは ものすごく名残惜しかった

「椿君も おめでとう」

 腕を組んだまま 彼には 祝辞だけを贈呈する。

「…どう…も」

 剣呑な目で おざなりに返事を返してきた。

 心の狭いヤツ!

 たかが 握手くらいで
 そんなに殺気まで にじませることはないだろうに!



 表彰式終了後は、メディア連合(放送部・新聞部・パソコン部)合同で MVP取材。

 二人とも そつなく 社交辞令交じりで インタビューに答えている。

「じゃ、撮影させてもらうね」

 新聞部部長が 声をかける
 2年の女子部員 東雲が 一眼レフカメラを構え
 パソコン部の部員は その真後ろからデジカメを構えた。

 最初に 椿が どうにか仏頂面にはならない…無表情で写る。

 ま
 ヤツには 笑顔は無理だろうし
 女子どもは ヤツのクールさがいいと 騒いでるんだから 問題はないだろう。

 苗床の番になった。
 
 彼女は ちゃんと笑顔を作って、カメラの前に立つ。

「ごめん 苗床さん レンズが反射して 目が写らない!」

 撮影していた東雲が 顔を上げた。

「悪いけど はずしてもらえるかな?メガネ」

 ざわっ

 周囲に押し殺したざわめきが 広がる。

 …そういえば…

 メガネをとった苗床は かなりの…だという噂が

「東雲先輩っ!!」

 椿のあわてたような声が 響くのと

「いいですよ」

 あっさりと 苗床がメガネをはずすのが同時だった。

 っっっ!!!!!

 えええー!?

 ぱっちりしたつぶらな瞳 長いまつげ

 色白の肌に 絶妙に配されたその構図…!

 周囲が 完全に絶句し 
 東雲って女も カメラを構えたまま棒立ちになった

「?東雲先輩?撮れました?」

 彼女も 俺同様 近視らしい。

 焦点があわないなりに
 シャッター音が響かないことに疑問を感じたか カメラマンに声をかける。

「ご、ごめっ!はい、チーズ!」

 あせって 2年部員がシャッターを押し
 やっと 我に返ったパソコン部部員も フラッシュをひらめかせた。

「と、撮れたよ、あり…がとう…」

「いえ、ありがとうございました」

 にっこり 愛想良くほほえんで 即 苗床は メガネをかけ直す。

「…これで 終わりですよね!失礼します!!」

 いらだたしそうに 椿が 彼女に近寄る。
 そのきゃしゃな肩を抱いて 強引に連れ去っていった。

「ばかか、お前は!人前で メガネ 外すなって言っておいただろうが!」

「何 怒ってんの?どうせ 私なんかの写真 注目する物好きなんかいないって」

 そんな会話が しだいに遠ざかる。

「うっわ 椿君 独占欲 丸出し」

「彼女の素顔さえ 見せたくないって どんだけ嫉妬深いんだよ」

「まー。気持ちは わかっけど?」

「半信半疑だったんだけど…可愛いかったのね、あのこ、マジで」

 ざわざわしながら 周囲も それぞれの教室に散っていった。

「ふぅーん 予想以上…」

 さゆりが おもしろそうに つぶやいた。

「いいんじゃない?あの子なら 私の次に 放送部のアイドルになれそうよ?」

「さゆり?」

「聖 あの子を 放送部に入れたいんでしょ?」

 っ!

「きょ、協力します!聖さん!」

「央路…」

「今のスターは 2年ばっかりだC-。1年のスターは、今のうちに育てておくのでR!!」

「部長!」

「そうですニャン」「やるんでニャンニャン!!」

 ついでに 猫田兄弟…。

「よし!」

「全員 一丸になって…!」

 頼もしい同志を見回して 激を飛ばす

「苗床かのこを 必ず 放送部に入れるぞ!!」

「「おー!!!」」

 
    


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