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「『恋だの愛だの』」
Ⅰ 四面楚歌

【25】麻の中の蓬

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麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)
 
      【どれほど根性がねじくれてても、まっすぐな人たちの中にいると、
       ついついつられてまっすぐに育っちゃうのです=朱に交われば、赤くなる】


「苗床さん MVPおめでとう!」

「あー。うん、ありがとう」

「こんなことなら 応援に残ってたらよかったなー。君の勇姿、見たかったよ!」   

「いえ そんな。単なるまぐれ勝ちだから…」

 球技大会の翌朝
 校門に入った瞬間に あちこちから かかる声

 あー うっとうしい!!

 いやいやいやいや!
 私は 天使な桃ちゃんの親友
 天使の親友は 天使じゃなきゃいけない!

  『私は、爽やかガール!』

 必死に 胸の中で呪文を唱えながら 笑顔を作って祝辞に答え続けた。

 しかし あれだ
 宝高ってのは 超進学校だけあって できた人間が多いんだね

 クラスどころか 学年まで違うのに
 わざわざ 祝いの言葉 投げかけてくるんだから
  
「おはよう かのこちゃん」

 うっ

 この声は

 放送部の黒幕 城蘭 聖!

 ってか なんでこいつ
 初めて会ったときから なれなれしく「かのこちゃん」なんて呼ぶかな!?

「…おはようございます…先輩」

 『私は、爽やかガール!』『私は、爽やかガール!』
 
 にっこり 天使笑顔で あいさつする。

「すごい人気だね」

「いえいえ 皆さんが お気遣いくださって ご親切なだけで…」

 あああっ!
 言ってて 自分の舌が うっとうしいっ!

 爽やかガールってのは かなりの精神修行が必要だね!!

「ねぇ かのこちゃん 君 うちに転部しない?」

「…は?」

「新聞部より うちのほうが 君に向いてると思うな」

「はいっ!?」

 なんで!?
 なんで 私に声かけるわけ!?

 アンタの目的は ただ一人
 宝高のビッグスター 椿 初流でしょうが!!

「あー、あの…放送部みたいな 華やかな世界には 気後れが…」

「そう?君は 向いてるよ、すごく可愛いし」

 はぁぁぁ?!

 近視だろうとは 思ったが(分厚いレンズだし!)
 そのうえ 強度の乱視まで 混ざってるのか!?コイツは!!

「うちは 専用のヘアメイクとかも 育成してるから より可愛くなれるよ」

 すっと ヤツの指が 私のあごにかかる

「ほら もったいない。可愛い唇が 荒れてる」

 おぞぞぞぞっ

 背筋に ざわっと 寒いぼが立った。

 さっと 一歩 後退する。  
  
「…俺には 3秒と 触れさせてもくれないんだ…」

 はっ!?

「つれないんだね」

 何 言ってるんだか コイツは!

「あー。あの…」

 『私は、爽やかガール!』『私は、爽やかガール!』『私は、爽やかガール!』

 困った!
 桃ちゃんなら どうしただろう?こんな時!

「わ、私が 先輩のファンの方に にらまれますから!」

「にらみゃしないよ。この程度のことで…」

 否定しないんだね!?
 ファンがいることは 自覚してるんだ!とことんやなヤツ!

「髪も もう少し ブラッシングを…」

 ひっ!?

 また 手が伸びてくるっ!

 すんでのとこで その手を逃れた
 …とたん どんっと誰かの体に ぶち当たった。

「…あ、ごめ…!」

 あわてて離れようとした体が ぐいっと引き寄せられた。

 っ!?

 驚いて振り向いて…安堵のあまり 力が抜けた。

「ああ 椿君。おはよ」

「…なんだ?コイツは」

 椿君が いつものように
 私の背後から 抱きついて 耳元に 超小声でささやく。

「や、なんかね。放送部への勧誘」

「…へぇ…」

 ぐっと 椿君の腕の力が 強くなる。

「ちょ、椿君 いたいっ」

「すみませんが 先輩 コイツも俺同様に 新聞作りに燃えてますんで…」

 はい!?

 いつ 誰が 何に 燃えてるって!?

「放送部に 転部なんかしません!以上!!失礼します!!」

 一方的に宣言して
 椿君は 私の肩を抱いて その場から離してくれる。

「…あ、ありがと…。助かった!」

「おまえ…なに大人しく あんなヤツにつかまってんだよ!」

「だって!衆人環視の中で ほえるわけにいかないじゃん!爽やかガールとしてはさぁ」

「やめとけ!おまえに 爽やかガールなんて 無理!絶対、無理!!」

「やだ!私は 絶対に 桃ちゃんにふさわしい親友になるんだから!」

「今のままで おまえは 十分 花井の親友だ。変わる必要が どこにある?!」

「あるよ!
 今のままじゃ 私…また 的外れなことして 桃ちゃん 困らせるに決まってる!」

「バカだな…、お前は」

 椿君が 立ち止まった。
 くいっと 私のあごを持ち上げて 覗き込んできた。

「そりゃま お前は 腹黒だし 性格悪いし 友だち以外には とことんダークだし?」

 むかっ!

「つ、椿君にだけは 言われたく…!」

「全部ひっくるめてお前で…そんなお前が 花井は好きなんだ…そうだろ…?」

 っ!!

 言ってることはひどいけど
(あたってるだけに言い返せないけどっ!)

 その目はすごく 優しくて…。
 言葉が 素直に 心にしみこんできた。

「俺も…そんなお前が 好きだ」

「椿君…」

 いいよね 友だちって。

「ありがとう!私も 椿君のこと大好きだから!」

「…っ!なえ…!」

「桃ちゃんの次に!」

「…そりゃ…どうも…」

「?どしたの?ほら 急がないと遅刻だよ!」

 なぜだか 急にどんよりした椿君の手を逆に引っ張って教室に急ぐ

 ほんとに
 いいよね 友だちって!

 斜に構えて 傍観者を気取って 孤独であることにこだわり続けた私

 思えば 地を斜めに這うしかない蓬のような人間だったんだろう

 桃ちゃんも 椿君も 夏草君も
 麻のようにまっすぐに小気味よく生きてる

 本当の本当に
 いいよね 友だちって!!

 大好きだよ!みんな!!

 みんなの中でなら
 私も まっすぐに純粋に 伸びていける気がするよ!

  



  




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