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「『恋だの愛だの』」
Ⅰ 四面楚歌

【31】知らぬが仏

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知らぬが仏

【本当のことを知らなければ、おこったり、泣いたりすることもなく、静かな心でいられますよ】




「だって あんまり 夏草君が健気でかわいそうだからさ」

「ほぉ…?」

 さすがのアドリブで
 さっと私の提案 実行に移してくれた椿君に
 感謝を込めて いちごオレをおごっているファーストフード店

 椿君のオレには 生クリームといちごが てんこもりだ。

 …。

 この店のいちごオレって
 くりんとひと絞りの生クリームの上に
 1粒のいちごが ちょこん…が 定番なのだが

 ソフトクリームのような大盛り生クリームの上に
 よりぬいて大粒ないちごが1ダースほど乗っかってる

 はぁ

 どこいっても これだよ

 ホント
 貢がれ人生まっしぐら

 本来 モブキャラな私とは 接点のなかったはずのスター様だ

 こうして椿君とつるむのは せいぜい 高校時代だけだろね 

「椿君は どんな相手 好きになっても 苦労はしないよね」

「…は?」

「にっこり微笑んで『俺、お前が好きだせ』って ささやけばさ。
 『私もですぅー!』って 向こうから 胸に飛び込んでくるよ!」

「苗床…」

「ん?」

「俺 お前が「あー!椿さん かのこさん!」

 突如 響いた大声に あわてて振り向く。

「偶然ですね!こんなとこで 会えるなんて!」

「う、梅君っ!?」

「…偶然~っ…?」

 椿君が 不機嫌そうに梅君をにらむ。

 ?

 なんでだろ
 どうも 椿君は 梅君が 嫌いっぽい。

「もしよろしければ 相席よろしいですか?
 日曜で込む時間なのに 一人でテーブル占領するの気が引けて…」

「ああ、うん どうぞ」

 こんなに素直でいい子なのに…何が 気に入らないのやら。

「失礼します」

 梅君は 礼儀正しく御辞儀して 私の横に座った。

「う、梅君 それ…何 オーダーしたの…?」

「バナナ・オレです。僕 大好物で…」

 この店のバナナ・オレは…
 くりんとひと絞りの生クリームの上に
 1枚のうっすいバナナスライスが ひっそり…が 定番なのだが

 梅君のオレには
 ソフトクリームのような大盛り生クリームの上に
 大きめスライスなバナナの破片が1ダースほど乗っかってる

 けっ!

 世の中って
 一般大衆が 一手に損を引き受けるようになってるよね!

 何の変哲もない ジンジャーエール 飲みながら 胸の中で毒づく。

「…よかったら 一口 いかがです?かのこさん」

 おっと
 不機嫌が 表に出てたか?

「あ。いや 梅君 お気遣い…」

 言いかけた口の中に すっと甘いものが入ってきた。

「むぐっ」

 生クリームたっぷりなバナナの破片 なんとか 咀嚼して飲み込む。
 (スライスなんて レベルじゃない まさしく破片だ!)

「おいしいですか?」

 梅君が スプーン片手に にっこり微笑んでる。

「…う、うん ありがとね…っ」

 うっわ
 さすが 桃ちゃんDNA

 とことん天使っていうか
 フェミニストの塊っていうか…。

「おいっ!」

「…はい?」

「おまえ…っ!なに ふざけた真似…」

「すみません。
 思いがけなく トッピングが多くて…一人じゃ食べ切れなくて…つい」

 だろうとも!
 選ばれた民には 選民なりのうれしい悲鳴があるだろうさ!

「あ。じゃ 少し分けてよ。今 スプーンもひとつ…」

 一般大衆にだって おこぼれもらう権利くらいあるよね!

「もらってます。はい、苗床さんの分」

 ちゃっと 梅君が ナプキンに包んでた 新しいプラスチックスプーン 取り出した。

「用意周到だね…」

「ええ。そりゃもう」

 にっこり ほほえんで 梅君は 私との中間地点に カップを置く。

「右半分 どうぞ」

「あー。うん ありがとう…」

「…じゃ 僕は 左半分…」

 ひゅっ

 次の瞬間
 梅君がもってたスプーンが空中に飛んだ

 っ!?

 な
 なにごと…!?

「ああ わりぃ…ちょっとした拍子に 手があたっちまった」

「…いえ…お気になさらず…に」

「新しいスプーンもらってくっから 待ってろな、弟君!」

「…ありがとう…ございます…」

 なんだ
 けっこう 気遣いできるじゃないか 椿君

「ほら 苗床」

 椿君が いちごオレのカップを差し出す。

「俺のトッピングも 半分までなら 食ってていいから」
 
 おおお!
 なんつう 太っ腹!

「ありがとう!椿君!!」

 アンタも だいぶ 大人になったよね!

 セルフサービスコーナーに スプーン取りにいく 椿君見送りながら

 ”どんな人間でも それなりに 成長するもんなんだよなぁ”

 しみじみと 感慨にふけっていた。











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