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「松蓮聖戦」
第4章 蓮香松涛

続:高く青い空〔怜治 in 『文塚の華』〕【蓮香松涛 №13】

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続:高く青い空〔怜治 in 『文塚の華』〕【蓮香松涛 №13】



「どうして…ついてくるんだよ!」

「私は 小野小町を専門に研究してるのよ!?
小町ゆかりの場所って聞いてじっとしてられますか!」

 小町の研究家(というより『マニア』といったほうがいい!)は 断固 譲らない。

「や。でも、オレの夢の中の話で…」

「なに言うの!淺川君を信じるわ!私!」

「あ、ありがとう…オレの話、そこまで…」

 力強く言い切ってくれる高梨女史に  思わず感激する。

「君の国語力で あんな水茎麗しい文字書けるわけないもの!」

「そっちか!!」

 せっかくの美人だが 性格と口の悪さが玉に瑕だ!
 オレより 数段 頭がいいのもむかつく!

 そうこうしてるうちに 件の廃屋にたどりつく。

「ここ…?小町にゆかりがあるなんて…聞いたことないわ。」

「でも!ここに出た幽霊は どうやら 小町らしいんだ。もしかして ここで死んだとか!」

「小町のお墓は 日本全国各地に 13基あるけど そのどこからも 外れてるわね。」

「13?!」

「な、なんで そんなに たくさん!?」

 いくら美女っていったって!体は ひとつだろうが!!

「そりゃ 真実は ひとつなんでしょうけど…。」
 小町マニアの女史は 苦笑した。
 
「なんせ 伝説の世界三大美女の一人よ?どこも 『うちこそ 本物!』と言い張ってるの。」

「そ、そういうものなのか…。」

「だから…万が一 ここが ホントに小町にゆかりがある場所なら
 それが 伝わってないはずないの。」

「そ、そうですよね…」「うーん…」

 そのとき
 突然 空気が なまあたたかくなった。

「う…!?」 高梨女史が 真っ青になって固まった。

「ど、どうしたんですか?」

 女史が 震える指で オレの背後を指す。
 思わず ふりむいて

「…っ!?」

 あの美女!黒髪の…はかなげで 優しそうな…

 ほほえんで…オレに手を差しのべる…、
 
 ― 逢えた… やっと… ―

「兄さん!!」

 由紀子の必死の叫び声が遠くに聞こえる…。

 その手をとるんだ…。今度こそ…!

 美女がすぅぅっと近づいて、オレの手をつかむ…。

 とたんに
 ぱしっと青白い光が飛び散る

 はじかれたように 美女の幽霊は おびえすくんで手を離す
 切ない 哀しげな顔で オレを見つめ…すっと 消えた!

 支えを失った感覚で がくっとその場にひざまづいた。

「淺川君!」「兄さん!」

 女二人のわめき声が 耳に障る。

「ま…なみ…」

 ― やっと 逢えた…の…に…。 ―

「兄さん!しっかりして!!」
 
「とにかく!早く ここ離れましょう!」
「は、はい!」

 女たちに外に引きづり出され
 ぎらつく太陽の光を浴びて…夢から覚める。

「兄さん!」「淺川君!大丈夫!?」

「…オレ…どうしたんだ…?」

「君、もう少しで 幽霊に連れて行かれそうだったのよ!」

「よかった!念のために…清め塩 全身にふりかけておいて!」

「…ああ…」

「淺川君。君 さっき あの幽霊のこと『まなみ』って言ったわよね?」

 まだふらつくオレを タクシーに乗せて 家に帰ってきた。
 オレたちが集めた山ほどの資料 点検しながら 高梨女史が 話しかけてきた。
 
「…覚えてない…」

「そう…でも…ここに」
 女史は、廃屋の資料から コピーの一枚を差し出した。

「いるわよ。『まなみ』さん。愛する・美しいと書いて、『まなみ』。」

 …!?

 がばっとその紙片をのぞきこんだ。

 この家に住んでいた最後の家族の名前が書き連ねてある…
 確かにいる!愛美!
 
「夫は、建治。子どもはいない。そのご夫婦で絶えたみたいね、この家系。」 
 
「建治は…戦争にいったんだ…。」

「…そうね…。1945年7月 インドネシアにて名誉の戦死…って書き込みがある。」

「あ、あと一月で 終戦だったのに!」

「奥様の死は その一月後…。夫の戦死の知らせを受けたショックで…ってとこかしら。
お気の毒に…」

「私たちの…今の平和…、たくさんの犠牲の上に成り立ってるんですよね…。」

― 待っています 私 ―

 その瞬間
 いくつもの場面が 一挙に頭の中を 駆け巡った。

 「きっと通いつづけてみせる」と誓った百夜通いの約束。
 「必ず戻る」と約束して出かけた戦場…。

「あんなに…誓ったのに…」

「え?」「兄さん?」

「…オレは…約束を守れなかったんだな…」

  運命の二人だった。
  輪廻転生を繰り返し 出会っては別れ 別れては出会い…。

「千年前…の誓いを果たして、ようやく逢えたのに…
また…オレは…約束を果たせなかった…!」


「どこいくの!?」「兄さん!」

 庭に飛び降り 外にある水道の水を頭から浴びる

「だめよ!清めの塩 流れちゃう!」

「何する気よ!?」
 
「約束を果たすんだ!今度こそ!」









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