スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←蝉の鳴き始め(side:Y)【蓮香松涛 №14】 →天の川(side:R)【蓮香松涛 №16】
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【蝉の鳴き始め(side:Y)【蓮香松涛 №14】】へ  【天の川(side:R)【蓮香松涛 №16】】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「松蓮聖戦」
第4章 蓮香松涛

蝉の鳴き始め(side:M)【蓮香松涛 №15

 ←蝉の鳴き始め(side:Y)【蓮香松涛 №14】 →天の川(side:R)【蓮香松涛 №16】
蝉の鳴き始め(side:M)【蓮香松涛 №15】




「待ってる…なんて 簡単にいっちゃってよかったの?兄さん!」

「オレは 本気だ。待つさ 必ず」

「でも…ねぇ…?」

 ちらっと 私のほうを見る由紀子。
 女同士 以心伝心だ。

「たった今、すぐに 生まれ変わったとしたって 0歳の赤ん坊。
恋愛できるようになるには 15,6年は かかるわね!」

 冷然と言い捨てた。

「うっ!!」

 そこまでは 考えてなかったらしい。
 怜治が 言葉に詰まった。

「それでも 待つの?この時代に生まれ変わるかどうかも分からないのに?
恋愛も結婚も一切せずに 寂しくわびしい中年になって やがて孤独死するのぉ…?」

「由紀子ぉ~!オレをいびるのが そんなに楽しいか!」
 
「でも 『待つ』って そういうことでしょ?」

「た、高梨さんまで!」

「そんな覚悟がないなら 今から 愛美さんのお墓いって取り消してきなさい。」

「もう成仏されてるんだし、いまさら たたりにこないですよね?」

「…いや。取り消さない。」

「え?」「兄さん?」

「この愛は…オレにも 永遠の…ただ一つのものなんだ…貫く…何度生まれ変わっても…!」

 その顔には 日ごろの軽薄さが まるでない。

「この時代に逢えなきゃ、また 次の。そこでも 逢えなきゃ 次の次…。待つさ。」

 怜治は 高く青い空を見上げた。

「いつか逢える…そのときまで…!」

 せみ時雨が 激しく降りかかる。

 真夏の太陽は 強く照りつける。

 その灼熱の炎より なお強く

 怜治の瞳には、荘厳な決意の輝きがあった。



 この高く青い空のはるかかなた あなたがいるの。
 春が過ぎ夏がきても あなたは 帰らないの。
 私は ここで あなたを 待って 待ち続けているのに…。
 なぜ 帰ってきてくれないの…?

 この高く青い空のどこかにきっと あなたはいるわ。
 秋はゆき、冬が去るのに あなたは 帰らないの。
 私にできるのは 待つことだけなの ただ じっと。
 早く 帰ってきて 私のところに 
  
  わたしの命がいのちがつきる前に

   「高く青い空」 『文塚の華』のテーマ By Reika Mitaka ~

   《ペールギュント組曲第2番 「ソルヴェイグの歌」より 着想》 

                                    ― 『文塚の華』  Fin ―




「よかったよー、ご苦労様!」「お疲れ様でしたー!」

 無事クランクアップを終えて
 現場にはねぎらいの声と 賛辞がとびかう。

「モー子さぁぁーーん!」

 例によって キョーコが とびついてきた。

「すごく素敵だった!知的な女子大生!ぴったり はまり役よね!!」

「ありがと」2つも年上の役なのに 違和感ないってのも ちょっとむかつくけどね。

「あんたこそ!すっごくよかったわよ!似合って…て…?」

 とたんに
 ずずーんと 落ち込むキョーコに あわてる。

「な、なに 落ち込んでるのよ!『すっごくよかったっ』て みんな褒めたたえてたのに!」

「…『すっごく よかった』…?」

 ゆら~り…

 ひぃぃぃ!!

 思わずあとじさる!

「恐怖に震えながら そんなこと言われたって!傷つくだけなのよ!!
えーえ、どーせ私はホラー向き!天役ですとも!!」


 いえ!そんなことは 決して!…とは 言えない。
 どれほど 友情 総動員しても!

 だって…
 ほ、本当に
 …すごく…!!

 似合ってたんだもの! 幽霊役!!

 「いやー。キョーコちゃんなら 特殊メイクも効果も要らないねー。」と
 新開監督に絶賛されてたもの…ね。(キョーコは 深く 傷ついてたけど…)

「お疲れ様 最上さん」

 突然
 甘く優しい声が 降ってきた。

「敦賀さん!」

「クランクアップおめでとう。無事終わってよかったね。」

「は、はい。ありがとうございま…って つ、つるがさん!」

 近づくやいなや
 キョーコを胸の中に 抱きしめて ほほに口付ける。

 さすがに…見慣れた。
 毎日毎日 これやられてるんだもの 目の前で!

 共演者も監督もスタッフも見ない振りしてる…賢明よね…精神安定のためにも! 

「つ、つるがさぁーん…ひ、人前では やめてください…って あれほど…。」

 …そ!
 そういう!
 うるうる涙目でお願いしたって 逆効果なのよ!キョーコ!

 アンタも いいかげん学習しなさい!!
 
「嫌がる後輩に そぉゆうこと 無理強いするなんて…紳士の名が泣きますよ?」

 …!!
 
 きた!!

 さささっと
 波が引くように 周囲から 人が去っていく!

 しまった!逃げ遅れた!!

「…可愛い後輩に お疲れ様って ねぎらってるだけだけど?」

「相手が嫌がったら それは 単なるいじめです。離してやってください」

「君に…指図されるいわれはないな。」

 バチバチバチバチバチッ

 く、空気が 放電してるっ!

「あ、あの!敦賀さん!お、おねだり…して いいですか?」

 キョーコが ぎゅっと 大魔王のシャツをつかんで見上げた。

「ん?いいよ、なに?」

 大魔王が、一転して優しい顔になる。

「い、今 私が 着せていただいてる和服 すごく気にいったんです。
 ですから…その…」


「ああ。本当に似合ってるね。」

 甘く神々しい笑顔でキョーコを見つめた。

「いいよ、買い取ろう。今から スタイリストさんに交渉してくるから。」

 いいながら
 ちゃっかり 抱きしめる腕に力をこめているところが さすが大魔王!

「は、はい。ありがとうございます!」
 うれしそうに にっこり ほほえんでる キョーコの額には汗が光ってる。

 あぁ…。
 あわれ キョーコ!
 毎回毎回「これ」で ついに 万策尽きたのね…。 

 一番 あの子がしたくない『おねだり』しなきゃ もう止められなくなったなんて!!









 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
総もくじ 3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【蝉の鳴き始め(side:Y)【蓮香松涛 №14】】へ  【天の川(side:R)【蓮香松涛 №16】】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【蝉の鳴き始め(side:Y)【蓮香松涛 №14】】へ
  • 【天の川(side:R)【蓮香松涛 №16】】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。