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「『恋だの愛だの』」
Ⅱ アリアドネの糸

【4】渡る世間に鬼はなし

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渡る世間に鬼はなし

  【世の中には いい人だってたくさんいるのです】




 靴 履き替えて正門に行く
 ちょうど学校が呼んでおいてくれたタクシーが 着いたところだった。

「運転手さん!とりあえず これで!不足分は必ず後でお支払いします!
 宝ノ谷高校 職員 慶堂でつけておいてください!!」

 担任が 運転手さんの手に 千円札を3枚握らせる。

 今 たまたま 手に持ってた全て…なのだろう。くしゃくしゃだ。

「…わかりました。蓬莱山救急医療センター…ですね?」

 運転手さんが そのお金受け取りながらうなずいた。

「椿君!気をしっかり持ってね!!苗床さん!頼んだよ!!」

「はい!」

 担任としては ぜひ 付き添いたいのだろうが
 教師としては どうしても 授業をしなくてはならない

 先生の悲痛な表情に見送られながら タクシーは即 発進した。

 …心臓麻痺…

 椿君のこの様子から察するに きっと 突発的な発作だ。

 日頃は元気な人が突然…って 相当 やばい事態だ!
(普段から 心臓が弱い人なら ニトロとか常に携帯してるから 却って対処しやすい)

「おれ…」

「え?」

 突然
 ぼそっと小さい声で 椿君がつぶやく。

「小学校の頃…作文で賞もらったことがあるんだ」

「うん…」

 冷たくなってる手 そっと握り締める。

「『ぼくの夢』って題で…」

「うん…」

「『大人になって 初めて給料もらったら
 お父さんにネクタイを お母さんにスカーフプレゼントします』…って」

「…うん…」

「親父もお袋も すごくよろこん…で その日の夕飯は 俺の大好物ばかり…で」

「うん」

「…計算…してたんだよ」

「…え?」

「こう書けば…親が 喜ぶだろうって…ちゃんと わかって…て」

「…椿…くん…」

「嫌なガキなんだ…俺はっ!」

「椿君…っ」

「まだ…何一つ…親孝行…」

「椿君っ!!」

 がしっと その体にしがみつく。

「椿君は いい子だよ!」

「…なえ…どこ?」

「だって!椿君は 私に 晩御飯おごってくれるときでも
 自分は 絶対 食べないでしょ!いつも 飲み物だけでっ!!」

「…え」

「『ここで食って 晩御飯食べる量が減ったら 親父やお袋 心配するし』って!
 いつも!おなか すっごい ぺこぺこな時でも!」

 …神様…!

「いまどき こんなに親思いのいい子いないよ!椿君!」

「苗床…」

「アンタは 絶対 自慢の息子だ!だから!!」

 お願い…!神様…!!

「だからっ アンタみたいないい子置いて 逝っちゃたりしない!
 絶対 しないから!!」

 まだ そっちに連れてかないで!!

「…ああ…」

 いつのまにか
 椿君の胸にすがり付いて
 泣いてた私を 椿君が優しく抱きしめてくれる。

「ありがと…苗床…」

「…椿…君…」

 私の肩に椿君の熱い涙がしみる…
 震えるその体を しっかり抱きしめ返した。

「お客さん!」

 唐突に 運転席から声がかかった。

「…は、はいっ!?」

「シートベルト締めてください。飛ばしますよ」

「…は?」

「ちょうど ネズミ捕りではってた白バイさんいたんで 先導お願いしましたから」

 え?え?!

「急いでください!白バイさん 待たせてますんで」

「は、はい!」

 あわててシートベルト締め付けると同時に タクシーは急発進した。

 超高速で病院に到着する。

「ありがとうございました!!」

 最敬礼で 白バイのおまわりさんと運転手さんにおじぎする。

「いいから。早くいってあげなさい!」

「気をしっかり持ってね!」

「は、はい!あ。タクシー代…」

 不足分を確認しとかなきゃ

「充分 足りたから心配ないよ」

 や。この距離で そんなはず…

 料金を確認しようとして…気付いた。

 いつのまにか 表示が「回送」になってる!

「さ、早く!お父さん 待ってるよ!!」

「大丈夫。きっと 助かるからね!」

「…ありがとうございましたっ!!」

 もう一度 深くおじぎして 椿君の腕を引っ張って受付に向かう。

 大丈夫 助かる

 通りすがりの赤の他人まで
 こんなに 真剣に祈ってくれてるんだから!
 
  


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