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「松蓮聖戦」
第4章 蓮香松涛

涼しい潮風(side:R)【蓮香松濤 №26】

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涼しい潮風(side:R)【蓮香松濤 №26】



「さすが日本の最北端、礼文島だ!涼しいね!」

先に降りて、彼女に手を貸す。
 吹き寄せる潮風は 実に涼しい。
 海の向こうに 利尻富士。景色も実にさわやかだ!

「え、ええ…少し 肌寒いくらい…です」

「ほんとだ。冷え切ってる」

 確かに 手の先が冷たい。
包むように 握りしめて息を吹きかける。

「そ、それにしても!びっくりです!」

 とたんに 彼女が 真っ赤になって手を引っ込めようとする。

「ん?なにが…?」

 そうはさせない。
 ぎゅっと 逃げてくその手をつかんで 胸の中に抱きしめる。

「い。いえ…まさか ヘリコプターで ひとっ飛びしてくるとは 夢にも…。
というか!存じませんでした!よもや、ヘリの操縦までおできになるんて…!!」


 へどもどしながらも 逆らわず 俺の胸の中でじっとしていてくれる。

 彼女も、この程度では 逃げなくなるくらい慣れてきた。

 当然だ!毎晩 同じベッドで寝始めて もう半月以上になるんだから!

「ああ。」

 どれほど 俺が日々ぎりぎり忍耐の限り尽くしていることか!
 その苦難を思えば、この程度のご褒美は受けたっていいだろう!

「親父が、アウトドア派だから。自家用セスナとヘリは いろんなタイプ2,3機持っててね。
俺も操縦できなきゃ不便…ど、どうしたの!?」


 なぜか 彼女が 真っ青になって震えだした。

「な、なんでもありません。ちょっとヘリに酔って!
今の 途方もないお話にも めまいが…


「とりあえず、休もう!あの山荘まで我慢できそう?」
 100mほど先にある 山荘を指さす。

「え、ええ。大丈夫です!」

「お待ちしておりました!」

「やあ、久しぶり」

 彼女の手を引いて、格納庫から出ると、山荘から出迎えが来ていた。

「最上さん、彼は、俺が小さい頃から お世話になっている遠藤さん。」

 使用人の中でも 親父の信頼厚い上品な物腰の紳士だ。

「ようこそお越しくださいました。
 京子様、どうぞ何なりとお申し付けくださいませ。」

「は、はい!お、お世話になります。」

「じゃあ、行こう。まずは 体を休めないと。」

「つ、敦賀さん!」

 すっと彼女を抱き上げた。
 その足で 山荘に向かう。

「遠藤さん 荷物はよろしく。」

「お任せください。」
 遠藤さんが 台車に荷物を積み込んで後からついてくる。

「あ、歩けます!おろしてください!」

「無理しなくていいよ。昨日は遅くまで 撮影が押してたし、疲れてるだろう?」
 
「あ、あの!でもですね!」

「最上さん…」

「は、はい!?」

「暴れられると 足下危ないから おとなしくしてね。」

「は、はい…。」

 やさしく にこやかに ほほえんだ。
 …のに 彼女の顔は ひきつっている。

 いたたまれなげに 俺のシャツの袖にしがみついている。

 どうやら まだ 俺のやりかたは てぬるいらしい。
 俺の首に手を回すくらいしてくれたっていいだろうに…!

「ホ、ホテルみたいですね!」

 山荘を間近に見た最上さんが目を丸くした。

「ああ、元は そうだったらしい。」

「『元は』…?」

「ようこそ、いらっしゃいませ。」

 40代後半くらいの 優しげな女性が出迎える。

「やあ 佳奈さん、元気だった?」

「おぼっちゃま、お久しぶりです!お元気そうでなによりです!」
 
「…おぼっちゃま?」

「こちらは、佳奈さん。遠藤さんの奥様。」

「京子様、ようこそ!お待ち申し上げておりました!」
 
「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします。」

「彼女 疲れてるみたいなんだ。早速、部屋に案内してもらえる?」

「はい!もう準備できております。さあ、こちらへ!」

 彼女を抱き上げたまま 部屋に向かう。

「つ、敦賀さん!も、もう おろしてくださっても!」

「すぐ部屋だから」

 佳奈さんにドアを開けてもらって部屋に入る。

「うわぁ~ す、素敵なお部屋!」

 最上さんの顔がたちまち輝いた。
 彼女好みのふわふわ白レースふんだんに使ったロマンチックな部屋。

 大きく開かれた窓からは 海と利尻富士が見える。

「気に入ってもらえてよかった。」

 そっとベッドに横たえる。
 俺の部屋にあるほどではないが、2人寝ても充分な大きさのベッドだ。

「それでは ご用がございましたら 呼び鈴のひも お引きください。」

「ああ。ありがとう」

 佳奈さんは、気を利かして さっさとひっこんでくれる。

「少しだけ昼寝しようか。」

「あ、そうですね!敦賀さんも 操縦でお疲れでしょうし!」

「じゃ…おじゃまするね。」

「ど、どうぞ…」

 布団をめくって、彼女の横に入り込む。 
 
 いつものように 彼女を胸の中に抱き込む。

 俺の胸元で ほどなく 規則正しい寝息が聞こえてきた…。

 華奢な体。
 愛らしい唇。
 実に かわいらしい…。

 …凶悪なほどに…!

 信頼してもらえるのは うれしい…
 うれしいんだが…!

 どれだけ 俺が必死に理性保たせてると…!

 …なんていう不満は

 ぎゅっと俺の袖を握っている
 その無防備で安らかな寝顔の前では…霧となって散ってしまう。

 どれだけ理性が悲鳴あげても、
 もう失いたくない このぬくもりと安らぎは。

 絶対に 手放してたまるものか…!

 唇で彼女の寝息が深いことを確認する。

 そっとその唇に口づける。
 慎重に唇を開けさせて 甘い舌先を味わう。

 痕をつけないよう 細心の注意払いながら 唇を這わせる。
 のどに 鎖骨に 胸元に。
 そのやわらかな感触に夢中になって 口づける場所を移動する。
 ほほに おでこに 唇に 髪の毛に。

「…ん」

 途中で身じろぎされて びくっと体がこわばった。
 おそるおそる様子を伺う…が、相変わらず寝息はおだやかだ…。

 安堵のため息をついた。

 この最中に目覚められたら しゃれじゃすまない!
  
 幸い…彼女は 眠りが深いタチらしい。
 この半月以上 ばれたことはない…が…。

 あらためて 胸の中に抱き込んだ。

 ぎゅっと抱きしめた体が はかないほどやわらかい。

 いいだろう?…このくらい…。
 いいよな!…このくらい…!

 我慢してるんだ 本当にぎりぎり!
 
 おはようのキスも おやすみのキスも 
 今では 唇に返してくれる…。

 ただいまのキスも いってらっしゃいのキスも
 ちゃんと 君からも 俺の唇にしてくれるようになってるんだから…。

 これ以上は 我慢してる、それは もう必死に!

 だから…
 大目にみてくれ…!

 これ以上は、耐える!絶対に耐えてみせるから…!

 大目にみてくれ…!!この程度のフライングくらい!!

 大きく開け放した窓から入ってくる涼しい風には 潮の香りがする。

 いつものように
 起こさないよう 慎重に唇を開けさせて
 甘い舌先を味わいながら 祈る思いで彼女を抱きしめていた。








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