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「松蓮聖戦」
第4章 蓮香松涛

夏の海の入道雲(side:S)【蓮香松濤 №28】

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夏の海の入道雲(side:S)【蓮香松濤 №28】 



昔々、グアムに美しい乙女が住んでいました。
彼女の慎ましさと魅力は、周りの誰もを魅了していました。
余りの可愛らしさに、高慢で横柄なスペインの総督が目をつけることとなりました。
そんなある日、総督が彼女の家へやって来て、彼女との婚姻の約束をとりつけるため、
彼女の父親に頼み込みました。
父親は、総督の申し入れを受け入れてしまいました。
しかし、彼女には愛するチャモロ人の若者がいたのです。
父親と総督の約束により、乙女は、傷心の日々を送っていました。
彼女にチャモロ人の若者の恋人がいることを知った父親は激怒し、
彼女がスペインの総督と結婚すると皆に発表し、結婚式の日取りも決めてしまいました。
結婚式の当日、彼女はチャモロ人の恋人に会うために、家をそっと抜け出しました。
彼女がいなくなったことを知った父親は、スペインの総督に、
彼女がチャモロ人の若者によって連れ去られたと申し立てました。
そして、父親、総督、そしてスペイン兵で二人を探し始めました。
ついに、二人をタモン湾を望む高い断崖まで追い詰め、
もはや逃れられないことを知った二人は、絶壁のぎりぎりに立って、
お互いの長髪を結び合いました。
二人の最期の瞬間を確かめあうように、お互いの目と目で視線を交わし、
最後のくちづけを交わすと、二人の髪を結びあわせたまま、
絶壁のはるか下に荒れ狂う海面めがけて身を投げたのでした。

それ以来、この絶壁は“プンタン ドス アマンテス”
俗に言う“恋人岬”として知られるようになりました。

                    ― グァム政府観光局 HPより ―


「ひどい!!なんて横暴な父親よ!サイテー!!」

 観光パンフレットに載ってた恋人岬の説明文を読みながら キョーコが盛んに憤っている。

「若者もだらしない!
さっさと 娘連れて逃げればよかったのに!筏でも造って!」


 こぉゆうとこが キョーコのキョーコたるゆえんだ…。
 ものすごく よく言えば 『パワフル』『プラス思考』…だが。

「おまえ…もう少し ロマンチックな感想がでないのか?」

 『死をかけても貫いた二人の純愛が素敵』…とか!

 仮にも 17歳の乙女だろうが!

「なすべきこともせず、ムダに命を捨てるっていうのが 我慢ならないの!」
 キョーコは まだ ぷりぷりしている。

「命は 天からの贈り物よ?
生きて幸せになってこそ 生まれた甲斐があるの!」


「まあ…そうだな…。」
 その辺は まったく同感だ!

 ぐっと キョーコの腰を抱き寄せる。

「ちょ!な、なに する…!」

「生まれてきた幸せ 満喫しないと…な!」

 あごに手をあてて 唇を近づける。
 が、はっっしと キョーコの掌に遮られてしまった。

「あ、相手が嫌がったら それはいじめ!
あんたが そう言ってたでしょうが!!」


 ちっ
 頭よすぎるやつって これだから…!

 もうかれこれ 一月近くも前のことなのに なんで覚えてるんだ?!

「え、えーっと 不破君 京子ちゃん 撮影は明日からだから…
自発的リハは そこらへんで…」

 おずおずと 馬場という男が 声をかけてきた。

 キッチン用品「フォーチュン」のCM 第4弾は豪華にも海外編。

 オレとキョーコのCMは 相当あたっているらしい。
 撮影日程も余裕たっぷりに5泊6日。大盤振る舞いだ。
 
「今日の所は ゆっくり観光でも なさってください。」

「ええ!じゃ ぜひ 馬場さんも ごいっしょに!」
 キョーコが愛想良く CM会社の男を誘う。

「え!?よ、喜んで!」ぱぁぁっと 馬場って男の顔が輝く。

 こいつ…!やっぱりか!

「僕でよければ!どこまでも お供…」

 キョーコからは 見えない角度で ぎろっとにらむ。

 ついてきてみろ…ただじゃ置かないぞ!!

「…したいんですけど…し、仕事が ありまして…残念です…。」

「そうなんですか?残念ですね!」

「ええ…ホントに…」馬場の声は、消え入りそうだ。

 よし!それでいい…!
 おまえは どうやら出世できるタマだぞ。 

「じゃあ 祥子さん…」

「ああ!」
 唐突に 頭を押さえて 祥子さんが 叫んだ。

「ど、どうしたんですか?!」

「きゅ、急に おなかが痛くなって!」

「あの…そこ…頭…」

「あ、そうなの!頭も!!
 ああ!これじゃ、どうやら ホテルで寝てたほうがいいみたい!」

「え。じゃあ 私も…」

「キョーコちゃん!」

「は、はい?」

「私、グァムの素敵な風景写真 いっぱい撮って帰りたいの!
でも 撮影始まったらそうはいかないでしょう!?」

「そ、そうですね…」

「…というわけだから これで 風景写真 撮ってきてね♪」
  デジカメを無理矢理キョーコに押しつける。 

「尚をボディガードと荷物持ちに こき使ってやってちょうだい!」
  言って オレの体を キョーコのほうに 突き出す!

「あ、あの…祥子さん!」

「この前 京子ちゃんに看病させて さんざんお世話になった上に、
 風邪までうつしたおわびさせていただかないと…ねぇ?尚」
 
 さすがマネージャー。見事だ!

「そうだな。借りは返さないと…な。」

「いえ。そんな 借りなんて…」

「風景写真…どうしても ほしいの!お願い!キョーコちゃん!!」
 すがるような目で 祥子さんに手を握られて ついにキョーコは陥落した。

「わ、わかりました…撮ってきます…」

 グッジョブ!祥子さん!
 帰ったら 特別ボーナス弾むよう 社長に進言するからな!

「じゃあ、行くぞ キョーコ」

「え、ええ。行ってきます。」

 首尾良く キョーコと二人っきりで観光旅行。
 
 予想外の幸運…!

 『幸せになってこそ 生まれてきた甲斐がある』

 足場の悪さを口実にキョーコの手を握る。
 ビューポイント探して 砂浜を歩きながら
 さっきのキョーコの言葉を 胸の中で反芻する
 
 おまえだけだ
 オレが幸せになれるかどうか 決めるのは…。

 その決定権を持っているのは この世でただ一人…おまえだけ…。

 手の中にある小さな掌を ぎゅっと握りしめた。









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