スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←虹の橋(side;K)【蓮香松濤 №34】 →海月(side:S)【蓮香松濤 №36】
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【虹の橋(side;K)【蓮香松濤 №34】】へ  【海月(side:S)【蓮香松濤 №36】】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「松蓮聖戦」
第4章 蓮香松涛

虹の橋(side:R)【蓮香松濤 №35】

 ←虹の橋(side;K)【蓮香松濤 №34】 →海月(side:S)【蓮香松濤 №36】
虹の橋(side:R)【蓮香松濤 №35】






「すごい!きれいなビーチですねっ 」

「ああ。ほんとにね。」

 足下の白い砂は 星砂。
 少しも肌に まつわることはない。

 世界1の透明度を誇るグァムの海は蒼く澄み切っている。

 子どものように 瞳をきらきら輝かせて はしゃぐ彼女の姿に ほっとする。

 さっき…机の前で 何かを見つめながら じっと動かなかった
 そのきゃしゃな背中があまりに 頼りなげで…淋しそうで…胸が突かれた。

 『虹の彼方に』…そんな…寂しい歌詞…だった…か…?

「敦賀さんっ!!」

 突然、彼女のすさまじい悲鳴があがって はっとした!

「どうした!?」

「あそこ!」

 と いう間に 彼女は走り出していた。
 ばっと 水着から ロングパレオをはがしながら

 …!?

 素早く海に駆け込み 泳ぎ始めた彼女の目指す方向を見て息を飲む

 誰かが…おぼれて 流されている!

 浜辺の人々も 気づいて騒ぎ出す。

「大変!」「救助員に連絡を!」

「モーターボートを出せ!」
 
 運動神経抜群の彼女に 今から泳いでいったっておいつけない!
 あわてて近くにあったボート屋にかけこんだ。

 次の瞬間 浜辺から 大きな悲鳴があがった。

 神業とも言うべきスピードで
 おぼれていた人間にたどりついた 最上さんが 一緒に流されている!

「あのあたりは 潮の流れが速いんだ!」
「あの子までおぼれるぞ!」

 ボート屋もあせって用意した。
 近くにいた人々も競って手を貸した。
 即、モーターボートを発進させる。
 
「最上さん…!」

 沖に出たとたん、潮の流れは すさまじい速さになる。
 ようやっと 彼女たちにおいついて 回り込む。
 スクリューに巻き込ませないよう エンジンを止めて待ち受ける。

 彼女は潮の流れに逆らわず背泳ぎ状態で、ぐったりした人物を水中で支えていた。

(まず この人を…!)

 目で訴えられて、彼女が助けた人物…20歳ぐらいの女性をモーターボートに乗せる。
 さっそく同乗していたボート屋が 人工呼吸をほどこしている。

「さあ!最上さん…君…もっ…!?」

 心臓が止まりそうになった!

 …っ!?

 海上から 彼女の姿が消えている!

「最上さん!最上さん!!!」

 必死に海上に向かって呼びかけるが 反応がない…!

 …っ!

 羽織っていたシャツを脱いで、飛び込もうとした瞬間 ボート屋の男に羽交い締めされた。

「待った!闇雲に飛び込むな!」
 
「離せ!彼女が…!!」
 
「あ、安心して…力尽きた…か…?」

 後から 追いついてきた救命艇の一人が、焦ってあたりを望遠鏡で見回す。
 
「…尽きて…ません…」

 下から かすれた声が響いた。
 ぺたんと モーターボートのへりに 手が現れる。

「すみません…自力であがろうとしたんですけど…手…貸していただけますか…?」





「よかったですよね!さっきの方!命に別状なくて!!」

「…ああ…」

「追いついたとき もう ぐったりしていたので ダメかとあわてましたけど 安心しました!」

 おぼれていた女性は 人工呼吸で 即 意識を取り戻した。
 念のため、救命艇で病院に運ばれたが、無線で大丈夫という連絡が入ったところだ。

「敦賀さん!ほら!いま、いるかが跳ねました!」

「…そうだね…。」

 なんで…そんなに元気なんだ!?

 こっちは 本気で心臓がどうにかなりそうな思いしてたってのに…!

「このまま イルカウォッチングコースに回ってあげるよ。お二人さん。人命救助のお礼だ。」

「ほ、本当ですか!?」

「ああ。このビーチで水死事故なんか起こしたら、俺達の商売に関わるとこだったんだ。
おやすいご用だよ。」

「うわぁ ありがとうございます!」
 
「すみません…。」

 きら きら きら

 ダメだ…この瞳になったときの彼女には…逆らえない…。

 それに…。

「つ、敦賀さん…?」

 その焦った声で…いつのまにか彼女を抱きしめていたことに気づいた。

「俺の…心臓の方が 止まるかと思った…。」

「そんな!あの程度!私、運動神経とスタミナには 自信が…」

「…最上さん…」

「…は、はい…」

「お願いだから…今度からは ああいうときは 俺に任せて…ね?」

「は…い…すみませんでした…。」

 胸の中に 閉じこめた その命のぬくもりに 涙が出そうなほど安堵する。

 海の上に彼女の姿を見つけられなかった…あのときの恐怖!
 思い出すだけで…全身が凍り付く…。

「無事で良かった…ほんとに…。」

「…敦賀さん…。ご、ごめんなさい…」

「いや。お手柄だったよ…お疲れさま。」

 しょんぼりうなだれる彼女の髪の毛にそっと口づけた。
 
「あ~ お二人さん…その…そろそろイルカの群れに逢えるポイントなんだが…」

 ボート屋の男が 遠慮がちに声をかけてきた。

「…だそうだよ、最上さん。見せて頂こう。」

「は、はい!」

 安心させるように ほほえんでみせれば、やっと彼女にも笑顔がもどった。

 波間を跳ねるように泳ぐイルカの群れを二人で見つめる
 彼女を抱きしめた その腕は 一切ゆるめないままに。
 
 …どうしても 離せない…。

 あの一瞬
 永遠に失ってしまうのか…と

 凍り付くような恐怖が 今も 鋭く胸に刺さって
 いっこうに とれてくれないんだから…!

 離せない…絶対に…まだ…離せない…。

 最上さんが(後ろめたいのだろう)
 おとなしく 俺の腕の中におさまってくれているのをいいことに

 夕闇が迫って もう一度浜にもどってくるまで
 ずっと 胸の中に 閉じこめていた。









 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
総もくじ 3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【虹の橋(side;K)【蓮香松濤 №34】】へ  【海月(side:S)【蓮香松濤 №36】】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【虹の橋(side;K)【蓮香松濤 №34】】へ
  • 【海月(side:S)【蓮香松濤 №36】】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。