スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←ララDX11月号感想(ネタばれ注意) →真夏日和の立秋(side:K)【蓮香松涛 №40[完]】
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【ララDX11月号感想(ネタばれ注意)】へ  【真夏日和の立秋(side:K)【蓮香松涛 №40[完]】】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「松蓮聖戦」
第4章 蓮香松涛

真夏日和の立秋 (side:R)【蓮香松濤 №39

 ←ララDX11月号感想(ネタばれ注意) →真夏日和の立秋(side:K)【蓮香松涛 №40[完]】
真夏日和の立秋 (side:R)【蓮香松濤 №39】




「理不尽ですよね…暦って!」

「ん?」

 早朝のパラシュート講習も無事終えて(運動神経抜群の彼女は 覚えも早かった)
 指定の出発時刻まで余裕を持って、喫茶コーナーでコーヒーを飲んでいた時、
 最上さんがしみじみつぶやいた。

「こんなに暑いのに…今日から秋だなんて…『残暑』って言いますが、残ってる暑さのほうが
すさまじいと思いませんか?」


「そうだねぇ…。」

 そういえば、今日は「立秋」…。 
 確かに 朝でも30度超えるこの暑さで「秋」と言われても…。

「ところで、敦賀さん。」

「ん?」

「あの…パラシュートがセットになった ライフジャケットはわかるんですが…どうして
厚手なゴム製ウェットスーツが置いてあったんですか?セスナの中に…」

「ああ…あれは 社さん専用。」

「は?」

「社さんは 機械クラッシャー体質だしね。でも、セスナは機械のかたまりだろ?
空の上でクラッシュさせられたら どうしようもないじゃないか。」


「そ、そうですよね」

「だから、全身 ゴムで覆ってもらえば安全だと思ってね。」
 念には念を入れて、顔まで すっぽり覆うタイプを用意した。

「…総飛行時間 何時間でしたっけ?」

「6時間くらいかな」
 途中で給油とかもあるが…。

「セスナには クーラーなんか…ないですよね…」

「もちろん、あるわけない。」

「…今、ものすごく理解しました!どうして あんなに 社さんが セスナ嫌がられたのか!」

「…そう?」

 今の話の展開で…どうして そう思うんだ…?

「さあ そろそろ、離陸準備に行こう。」

「は、はい。」

「おはようございます」

 …!?

「しょ、ショー!」

「やあ…おはよう。…どう…したのかな…?」

 おまえらの出発時間は、まだ2時間も先だろう!
 何しに来た!?こんな早朝に!!

「もちろん、お見送りに…。道中のご無事お祈りしてます。」

「それは…どうも ありがとう…わざわざ。」

 どうせ 最上さんの顔、見たかっただけだろうに…!

「それと これ お忘れでしたでしょう?昨夜」

 …ヘルメット…?

「…っっ!」
 
「ああ!そういえば 昨日…」

 しまった!クラゲ!すっかり忘れて…。

「ご安心を 逃がしておきましたから あのクラゲ…昨夜…ね。」

「あ、ありがとう!よく、気づいてくれたね!」

 よかった…!
 罪のない命 ムダに奪ってしまうのは、後味が悪い。

「いえ。よかったです。間に合って…」

 手渡されるヘルメットを素直に受け取る。

 これは、整備用なので、実は、飛行には必要ないのだが
 せっかくの好意を無にするほど 狭量じゃないつもりだ…。

 まあ、コイツとしたら、最上さんの無事帰国のために最善尽くしたいとこなんだろう。

「ショ、ショー!」

「キョーコ。間違っても、パイロットの集中力 乱すようなこと 言ったりしたりするなよ?
セスナは、繊細な乗り物なんだから…な。」


「え、ええ。そ、それは…。」

「彼女が側にいてくれれば それだけで落ち着けるから。ご心配無用だよ。」

「…そうでしょうね…。」

 ふっと ヤツが笑う。

 …?
 おかしい…。なにか…が…。

「じゃあ、オレも支度あるんで戻ります。どうぞ、お気を付けて」

「ああ、ありがとう。また、日本で…。」
  
 いやにあっさり ヤツは引き上げていった。

 いつものように最上さんにちょっかいかけたりしない…。

「間違っても、パイロットの集中力 乱すようなこと 言ったりしたりするなよ?」

 …か。

 ここで
 俺をいらだたせて
 ヘタに心乱すようなことすれば

 …操縦に…彼女の安全に
 関わると思っているんだろう…。

「さあ、行こうか。」

「は、はい!」

 よけいなことは 考えるな!それこそ命取りだ!

 わかりきっていることじゃないか!とっくに!!

 アイツが 真剣なことも!
 …ヤツなりに…成長…していることも!

「じゃ、行ってらっしゃい・行ってきますの挨拶を…。」

 セスナに乗り込んで、シートベルトを締める前に
 その体を抱きしめて、あごに手をかけたとたん、彼女の顔がひきつった。

「あ、あの…一緒に出るんですから…そんな挨拶する必要…!」

「最上さん」

「は、はいぃ…?」

「パイロットの集中力 乱すようなこと 言ったりしたりするな…だろ?」

「そ、それとこれと…どういう…」

「これしてもらえないと 落ち着けない。」

 言うが早いか、唇にキスをする。その甘い舌先をそっと味わう。

 4日ぶりに一緒に寝られたっていうのに…
 昨夜は 薬のせいで 本当にすっかり寝てしまい
 『いつもの…』ができなかった…!少しは補充させてもらえないと…!

「~~!」

 真っ赤になりながらも 彼女からも そっとキスを返してもらえて
 ヤツによって 引き起こされた かすかな 心のさざ波も 静まった。

「離陸するよ。シートベルトしっかりね!」

「はい!」

 グァムの朝焼けに見送られながら、セスナは飛び立った。
 最上さんは、眼下の景色に大はしゃぎだ。

「すごく 良かったです!グァム!また、来たいです!」

「ああ。いつでも…声かけて。セスナがあるから 飛行機チケット手配の必要ないし。
宿の心配もいらない。」


「…は?」

「ここには、親父の別荘があるから…。」

「はぁ…!?い、いったい いくつ別荘…いえ!あの!じゃ、どうして わざわざ ホテル…!」

「…せっかくご家族でいらしたのに…部屋が狭くて 2部屋に分宿させられて 嘆かれてる
ご一家に遭遇してね…。」


 実は、フロントにそういう条件の宿泊客がいないかどうか 調べさせたんだが…
 まあ、そのへんは 言う必要ないだろう。

「あまりお気の毒だから、別荘を提供したんだ。あちら様も とても喜んでくださってね。」

 従業員付きで プライベートビーチ付き テニスコート・プール完備の別荘 ただで使って
 いい…と言ったら、一も二もなく、ホテルの部屋2つを譲ってもらえた。

「敦賀さんって…お優しいんですね…!」

「え…いや…そんな…」

「わ、私も!敦賀先輩のような立派な人格もてるよう、己を磨きますね!
演技だけ できてりゃいいってもんじゃないですよね!」


「そ、それほどのことじゃ…」

 きらきらと 尊敬通り越して 信仰するようなまなざし向けられて
 さすがに ほんの少し 心が痛んだ。

 言えない…な、絶対に。

 全ては、己の本能…いや 煩悩の赴くままにしただけ…なんてことは…!

 セスナは快調に大空を翔る。
 グァムの島は、大海のなかの一つの点になり、やがて、それも視界から消えていった。
























 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
総もくじ 3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【ララDX11月号感想(ネタばれ注意)】へ  【真夏日和の立秋(side:K)【蓮香松涛 №40[完]】】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【ララDX11月号感想(ネタばれ注意)】へ
  • 【真夏日和の立秋(side:K)【蓮香松涛 №40[完]】】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。