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「『恋だの愛だの』」
Ⅱ アリアドネの糸

【18】人の知 地の利に如かず

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人の知 地の利に如かず(ひとのち ちのりに しかず)

 【人間の浅知恵など 地形の有利さには 及ばないものです】




「え、え?!つ、椿君の…お、お姉さんですか!?」

 宝高職員室 端っこの席で 
 気の弱そうな とろそうな若い男が立ち上がった。

「初めまして 椿叶美と申します」

「ど、どうも!た、担任の慶堂と申します!」

「いつも 弟が お世話になっております!
 昨日は タクシー代まで お借りしたそうで…」

 さっと 用意した簡易祝儀袋を取り出す。

「弟に言われて お返ししにまいりました」

 中には あらかじめ 3千円を入れてある。

「そ!そんなの 気になさらなくても!
 いつでも よかったんですし!」

「そうは まいりませんわ」

 にっこり微笑んで 
 担任の手をとり 強引にその手に握らせる。

 目の前の男は たちまち 真っ赤になった。

「やあやあ!椿さん おひさしぶり」

「すっかり きれいになって」

「お久しぶりです、先生方」

 たちまち 私の周りに先生方が寄ってこられ
 担任の若い教師は 輪の外に 弾き飛ばされた。

「お懐かしいですわ!
 先生方 いつまでも お変わりなく お若くて!」

 小娘に指示されてたとおり
 にこにこと 旧知の教師たちに 愛想を振りまく。

「お父様の具合は?いかがかな?」

「おかげさまで 今は すっかり…」

「失礼します!」

 がらりと前方の戸が開いて、作業服着た男が現れた。
 ヘルメットをかぶり マスクをつけているので 顔は見えない。

「相良建設のものですが 特別棟の窓付け替え工事の下検分にまいりました」

 さっと 入校許可証を提示する。

「ああ、ご苦労様。入り口の鍵 いつものとこにかかってるから」

「はい!お借りしてまいります!!」

 男はまっすぐに 職員室入り口横の 鍵コーナーに行く。

「宝高の現状 いかがでしょう? 後輩たち がんばってまして?」

 さりげに 教師たちの目を こっちにひきつける。

「いやー。アナタほどの人材は なかなか…ね」

「弟君は 優秀だけど。あまり 前に立とうとするタイプじゃなくてね。
 叶美君からも 発破かけてやってくれよ」

「弟 ああ見えて シャイですから…」

「失礼しましたー」

 鍵を取った男が出て行く
 さりげに 右手で耳の後ろをかきながら…。

 よし!
 第一関門 突破!

「それでは 失礼します。お仕事中、お邪魔いたしました」

「せっかく 弟クンもいるんだ。また 遊びにおいで」

「はい、あ、帰りにちょっと 校内 ぶらついていいでしょうか?
 久しぶりで 懐かしくて」

「いいとも。創立記念日で ほとんど 無人だけどね」

「そのほうが 気兼ねなく回れます。では 失礼しました」




「ご苦労様、アンタがセンセイ方 吸い寄せてくれてたおかげで 楽勝だった!」

 最短距離でかけつけた特別棟
 入り口入ったとこで ミケと小娘が 私を 待ち構えていた。

「ですね!さすがです 叶美さま!」

「当初の予定では どうする気だったの?」

「忘れ物取りに行くって口実で 私がすりかえるはずでした」

「でも、よく 入校許可証なんて 持ってたわね?」

「昨夜 おたくのカラープリンターで 作ったばかりの偽物です」

「…え!?」

「いろんな場合想定して 念のため 作っておいたのが役に立ちました」

「…ばれたら どうするつもりだったの!?」

「先生方だって そんなの 細かいとこまで 覚えてるとは思えません。
 大体の色形が 同じならいいんですよ」

「大胆なんだか 細心なんだか…!」

 ミケが ぼそっとつぶやいた。

「御家さんは 時間見計らって 鍵返しに行ってくださいね。
 この『特別棟入り口の鍵』を」

 じゃらり
 小娘は ダミーの鍵を ミケに渡す

「…よくここまで そっくりなストラップ…」

「公立高校のぎりぎり予算で 珍しい高級品 買うわけないでしょう
 そこらの百均で買える安物です。
 鍵だって 大体の大きさがあってれば わざわざ 調べたりしません!」

「…だね…。ほら こっそりすりかえた パソコン室の鍵」

 ミケが 彼女に 新たな鍵を渡す。

 今 職員室の鍵置き場には
 パソコン室のところに ダミーの鍵がかかっている。

 建設会社社員のふりして ミケが すりかえたのだ。

 そして 鍵を返しに行くとき 特別棟の入り口のとこに にせものの鍵を返す。

 …これで 私たちは 特別棟とパソコン室を自在に使用可能…。

 その鍵で パソコン室に入っていく。

「ああ 絶対 スリッパ 使わないで。
 靴も そのまま持ちこむように!」

「でもさぁ 高校のパソコンって フィルタリングが強力で…。
 ネット検索にも 限界があるうえに 利用状況が学校側にだだもれ…」

「普通の学生の能力なら そうですが…うちのガッコのパソコン部 なかなか有能なんです」

「へぇ?」

「しっかり フィルタリング外して どこにでもアクセスできて 履歴 消せるようにしてまして。
 極秘のパスワードさえ入れれば…ね」

「でも どうやって その極秘のパスワード 割り出すつもりだったの?」

 凄腕ハッカーのミケは 予定に入ってなかったなずなのに。

「パソコン部の部長が 教えてくれました」

「はぁ!?」

「…よく 教えてくれたね…?」

「心を込めて お願いしましたので」

「…?お願い?」

「海外のアダルトサイトから 画像ダウンロードして 生徒たちに売りさばいて稼いでおきながら
 サイト利用料金 学校にかぶせてること 黙っててあげるって言ったら 喜んで」

 にっと 不気味に笑う小娘…。

「「……」」

 思わず ミケと顔を見合わせる。

「さ!じゃ 始めますか!」

 小娘は 早速 パソコンを起動している。

「あ、あのさ 同じことなら うちの大学の使わね?
 パスワードがあったって 俺が探り出して解除するし」

「人の知 地の利に如かず」

「へ?」

「御家さん、あなた ご自分の大学の警備員が何人で 何時に見回りに来るか
 把握してますか?」

「…君は 把握してるの…?」

「トーゼン!自分の学校ですよ?そのくらい知らなくて どうしますか!」

「…女王様…知ってる?」

「知ってるわけないでしょ!」

「…よ、よかった 俺 さっきから 自分の常識 ぐらついてて!」

「そう…ね」

 でも
 ひとつだけ わかったことがある

 この子だけは 絶対 敵に回しちゃダメよね!!


 


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