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「『恋だの愛だの』」
Ⅱ アリアドネの糸

【21】天は自ら助くる者を助く

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天は自ら助くる者を助く 

(神様は 自分でも 精一杯努力する人間を助けてくれるものです)

「よっしゃー!やった!アクセスTop10に出てきた!」

 ミケの弾んだ声と ほぼ同じくして

「おーし!『コメントの多い記事』にも ランクイン!」

 パソコン部 部長が 立ち上がってガッツポーズを決めた。

「あ、ありがとうございました!皆さん!!」
 
 即 立ち上がって 頭を下げた。

「おめでとうございます!!」「目標達成ですね!!」

 大歓声が上がる中

「午後6時…か。下校時刻も 遵守できそうだな」

 矢吹クンの冷静な声が 響く。

「あれ?かのちゃん どした?テンション低いよ?」

 …ん?

「…いえ…!」

 首謀者が あわてて 立ち上がった。

「ご協力 ありがとうございました」

 きちんと いすを中に入れてから あらためて 彼女が頭を下げる。

「よかったね!!」「お疲れサマー!!」

 たちまち 彼女に対して 大きな拍手と歓声が こだました。

 さっき 私に向けてくれたのより はるかに大きな…。

「ねぇ!」

「…はい?」

「あなた…この作業 たった一人でやるつもりだったの!?本気で!」

「「「えぇ!?」」」 

 宝高生たちが 驚きの目を向ける。

「…事が発覚した場合 被害を最小限に食い止めるのは 基礎中の基礎ですよ?」

「よ、夜の学校よ?!一晩 一人で 作業するつもりだったの!?」

「他に選択肢ありますか?」

「…ネットカフェは…身分証提示が 求められるから 却って危険。
 かといって 友人の家で借りたりしたら そこに迷惑がかかる…。
 …だな。どうシミュレーションしても 俺でもそうするか…」

 ミケが ぼそっとつぶやく。

「…ですね。他に どうしようもないです」

 パソコン部の部長も うなずいた。

「食事は!飲み物は!」

「用意してましたよ ほら。夕食&朝食2食分」

 食パン4枚入り一袋に…紙パックのお茶?!

「何!それ!!」

「弁当や菓子パンだったら どうしても におい残りますし、残骸処理も厄介です。
 これなら食べ終わった後、たたんでカバンにしまえます」

「…いやー、お、お見それしたよ。かのちゃん…」

 ミケが つくづく感服したようすで 頭を振る。

「でも、皆さんが 手分けしてくださったので こんなに早く終えられました。
 本当に ありがとうございます!」

 もう一度 彼女は ぺこりとみんなに御辞儀した。

「本当にお疲れ様でした。皆さん どうも ありがとうございました!!」

 私も 改めて 御礼を述べて 頭を下げた。



「いやー!なんか パソ部に入って初めてだ!この感じ!」

 素早く撤収したのち 全員で 校門へと向かう。

「ああ!こうさ、自分が 世論を動かした!社会参加したって達成感!」

 パソ部のコたちは やたら テンションが高い。

「よくやったよなー、俺たち!」

「安心するのは まだ早いんじゃないか?」

 矢吹クンだけは どこまでも 冷静だ。

「椿先輩のお父上の会社が 買収をまぬがれるかどうか まだわからないぞ」

 う…!
 
「か、会長…」

「あー、いるよね。典型的な秀才タイプ。
 冷めた言い方しさえすれば 一目置かれるって誤解してるヤツ」

「いえ。会長のおっしゃるとおりです」

 首謀者が ミケの言葉を 中途で止めた。

「私たちのしたことは 単なる側面援助にすぎませんから」

「やだなー。発案者のかのちゃんまで そんな…」

「天は自ら助くる者を助く」

「…は?」

「やれるだけのことはやりました!あとは天命に任せます!」

「結局は神頼みか?」

 冷ややかな会長の声にもめげず 彼女は続ける。

「ここまで非道さを喧伝されてる大財閥の買収に むざむざ 応じるようなら…」

「…なら?」

「そんな誇りのない会社 つぶれてもやむを得ません!」

 なっ!

「椿君のお父様が 特許お持ちだそうだし…『アリアドネの糸』ごと独立して
 起業するって手だってあります」
 
「この不況で…起業?」

「可能ですよ!だって、椿君のお父様は 日本の誇る優れた技術者ですから!」

「…っ!」

 迫力に負けたか 矢吹クンは 黙り込んでしまった。

「…職員室に寄って…、先生方に 下校の挨拶してくる」

 くるっと 方角をかえて 校内の方に去っていった。

 正門で 解散の運びになり

「お疲れ様でしたー!」

「また、何かあったら声かけてくれなー!」

 パソコン部員たちは それぞれ帰路に散っていった。

「御家さんは どうやってここへ?」

「タクシー。帰りも 携帯で呼び出すよ」 

「その必要はありませんわ、送らせていただきます」

「おお?助かるな。お言葉に甘えます、女王様」

「…かのちゃん…!」

「はい…はっ?!」

 むっ!

「何よ!コイツはよくて 私がそう呼ぶのはダメって言うの!?」

「い、いえいえ!ど、どうぞ お好きなように!叶美様!!」

「それ…やめて」

「…は…?」

「『叶美様』なんて!同級生だってそう呼ぶのよ?タメ口みたいで不愉快だわ!」

「あ、あの~。たしか そちらさまが そう呼べと…」

「『叶美お姉さま』と お呼び!」

「はい!?」

「いいから!これからは 私を そう呼ぶの!わかった!?」

「え。あ、あの…??」

「呼 び な さ い !」

「は、はい。か、叶美お姉さま…」

「よろしい」

 すっと手を挙げて 待たせていた車 呼び寄せる。

「さ、かのちゃん。アナタも 乗りなさい!」

「も、もうしわけありませんが 私 昨日から 自転車 置いたままで。
 今日 乗って帰らないと 明日の朝 困りますから…」

「…そう…」

 そういわれると 強制もできない。

「じゃ。また 今度…ね」

「はい。失礼します!」

 車が 発進した後 
 曲がり道で振り返ったら 彼女はまだこちらに向けて 手を振っていた。

「素直じゃないねぇ 女王様」

「…何が…」

 ミケのからかう口調に ついカチンと来る。

「『アナタを 妹にしてかわいがりたいの』って 言えばいいのにさ」

「…死んでも 言えるもんですか!!」

 くっくっくっく

 腹抱えて笑ってるミケにむかつきつつも
 反論できず ひたすら窓の外を流れるネオンを見つめていた。

 ま いいわ
 別に 私が動かなくても

 ハル君が
 いずれ あの子を 正式に 私の妹にしてくれるものね!



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