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「『恋だの愛だの』」
Ⅱ アリアドネの糸

【24】椿萱並茂

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椿萱並茂(ちんけんへいも)

 (父母がともに健在なことのたとえ)


 …なんでだ…!?
 なんで コイツが 苗床と一緒にいる!?

「椿君 こんなとこいていいの?お父様は?」

「親父も お袋も 姉貴から 今日のこと聞いて…真っ青になって
 即 おまえのとこ行けっ!…て!」

 姉貴のとりまきの車で 急いで戻ってきたのだ。

「…へ?」

 こいつは!

「夜の学校に 若い女が一人 泊まりこもうとしてたなんて聞かされたら!
 誰でも 真っ青になるだろーが!!!」

「あ~ そぉゆうものなの!?」

「おまえな!!」

「お話中 申し訳ないが…」

 いきなり 耳障りな声が 割り込む。

「俺は ここで失礼する。車を 待たせてるんでね」

「あ。すみませんでした。会長。今日は お世話になりました」

 苗床が 俺から体を離し 頭を下げる。

「…ありがとうございました」

 俺も しぶしぶ 礼を言う。

 親父の会社の件で コイツに 世話になったことは 間違いないからだ。

「…いや。では、また明日」

 そっけなく言い放って 会長は 大通りのほうに去っていった。

 ……。

 考えすぎ…か。

 そうだよな。
 誰も彼もが 苗床狙いってはずはない。

 俺も 少し 神経 とがらせすぎだよな。

「病院のほう 大丈夫だった?KKから リアクションは?」

「…ああ、来たぜ。入れ替わり たちかわり…」

「詳しく聞きたい!ね、あがっていきなよ!」

「…は…?」

「こんなとこで 立ち話も 近所迷惑でしょ!ほら!!」

 ぐいと 腕を引っ張られて 思わずめまいがする。

「…悪い!…おまえの安全さえ確認したら 即 病院に戻る事になってて!」

 無理
 絶対絶対 無理!

 今朝の今夜で 密室で 二人っきりなんて
 俺は 自分で 自分に 責任が 持てないっ!!

「あ、そうなの…?」

「それに 姉貴のげぼ…お、お友だちが
 俺を折り返し 病院に連れてくために ファミレスで待機してくれてるから!」

「ああ じゃあ 早くしないとね。待たせちゃ 悪いよ!」

「そういうこと。だから…」

 改めて 苗床抱きしめて 目をのぞきこむ。

「は?」

「いいな?絶対 もう バカなこと考えるな! 一人で動こうとするな!
 どこであろうと 何であろうと 俺が いつでも ついていくから!!」

「…う、うん…」

「それと もひとつ」

「ん?」

 ちゅっ
 そのほほに キスをひとつ

「っ!!!」

 苗床が 体をのけぞらせるのを 手で封じ きつく抱きしめた。

「ななななな…」

「感謝のキス」

 にんまり 微笑んでみせる。

「…アンタって ほんと 感覚 外国人だよね…!」

 頭をおさえて 文句を言う苗床。

 …おまえな
 あんまりボケた事 言ってっと いつか 押し倒すぞ!?

「とにかく…お父様は 大丈夫…なんだよね?」

「ああ!途中から KKのヤツら あわてふためいて 出てったし。
 きっと おまえの計画した『側面攻撃』が 効いてきたんだろうな!」

「そっか…!よかったよ、うん!」

 にっこーと 苗床が うれしそうに笑う

「お母様のことも 気遣ってあげなよ?
 気を張ってるうちは 気付かないけどさ、きっと心労たまってらっしゃるよ?」

「ああ。だから 今夜は 俺が お袋と交代して泊まる。明日も、学校 休むから」

「ノート とっといてあげる。安心しなよ」

「頼むな」

 ♪~

 ポケットで、着メロが鳴る。

 姉貴の下僕たちから…だ。

「そろそろ いいかな?…って 合図だよね。気をつけて 帰ってね!」

「ああ お前も 今夜はゆっくり休めよ?」

「うん!皆さんによろしくね!」
 
 アパートの入り口で
 苗床に 手を振って 彼らとの待ち合わせ場所に向かう。

 一つだけ
 アイツに言わなかったことが ある

 
  土下座っ!?
 
  まぁまぁまぁまぁ!
  あ、あのお嬢さん そんなことまで!?

  な、なんてこと!叶美 おまえ 黙ってそれを見過ごしたのか!?

  もちろん あわてて とめたわよ!…でも、遅くて…っ!
  
  アイツ…っ!

  ハル君 待って!私 このことだけは あの子に固く口止めされてるの!

  …え。

  「お父様とお母様は 見るからに お優しそうな方ですし
   きっと 余計なお気遣いなさるでしょ?たぶん 椿君も」って…  
    
  そんなの あたりまえ…!

  ごめん ハル君 パパ ママ 私が 口 つぐんでおけばよかったかもしれない
  …けど どうしても 黙っておくわけには いかないって 思ったから…。

  そのとおりだ。ありがとう 叶美 いい判断だった。

  …それとは 悟らせず あのお嬢さんには できるかぎり お礼しませんとね!
 
  だが…さすが 初流だな。すばらしいお嬢さん選んでるじゃないか。

  ええええ。うれしいですわ!ほんとに素敵な方!目が高いわ!初流!!

  
 初夏の空には 大三角の星座が見える。

 アイツとであったのも 夏だった。

 最初は『変なヤツ』から 始まった

 でも
 今 俺は 自分で 自分を ほめてやりたい

 俺って 最高にいい女 選んだよな!

 他の誰とも換えたくない
 他の誰にも譲りたくない

 親父とお袋のように
 アイツの横には いつでも 俺が寄り添っていたい!

 この先 ずっと

 一生…ずっと…な!
  


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