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「松蓮聖戦」
第5章 仙友浄友

芸術(side:真吾 in 「埋み火」第3話) 【仙友浄友 №36】

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芸術(side:真吾 in 「埋み火」第3話) 【仙友浄友 №36】




 道場脇の入り口。
 こっそり道場の様子をうかがいみる。

 誰も 気づく様子は ない。
 新参者と副長との勝負に 気をとられているのだ。

 二人が支度を調えて 道場中央で向き合ったとたん ぴーんと空気がはりつめる。

 舞殿が すっと木刀を構える。

 その切っ先は ぴくともゆるがない。

 対峙する男が 静かに木刀を構えた。

 とたん…すばやく 打ち込んできた…!

 …のを 彼女の木刀が 軽く払う
 二人の立ち位置が変わった。

 思わず手に汗を握っていた。

 宗像という男…副長とはいえ 剣の腕は 浪士組1の手練れだと聞いている。

 日本人離れした長身。

 体格でも力でも 圧倒的に 舞殿を凌駕している。

 男が 休む間もなく 打ち込んでくる。
 彼女は その全てを 軽く受け流している。

 …長引かせては ダメだ…。

 体力では 圧倒的に 彼女の方が不利!!

 いや…。
 負けてくれても…いい。

 ここで負けたなら
 彼女も きっぱり あきらめるだろう

 …『復讐』…なんて!

「…あまりに お情けのうございます…。」

 あの…弔いの夜

 急を聞いて駆けつけた父は
 舞殿の切り落とされた髪を前に はらはら落涙した。

「そこまで…私どもは 舞様に 見下されておりましたか…!」

「そ。そのような!わ、私は」

 いい年した男の涙を見て
 さすがに仰天した彼女の言葉をみなまで聞かず

「お亡くなりになられた佐倉大老殿は 確かに国政の重鎮。職制の縁も深うございました。
 ですが!そもそも 私どもがよしみを通じましたのは、10数年前。お父上が、未だ彦根で
 埋もれ木のごとく 不遇をかこっておられる時期でございました!」

 父は 畳に つっぷして 男泣きに泣いた。

「その折から ずっと…思いがけなく 彦根藩主の座につかれても 変わらず接していただき
もったいなくも 不肖の息子を 大事な一人娘である舞様の婿養子にとお約束いただき…
これこそ 管鮑の交わり…と ありがたく思っておりました!」

 畳をつかんで握りしめた指の関節が白くなり、震えている。

「それを…私どもの…関わりを…その程度の…!」

「た、橘様!」

 舞殿が あわてて父の手にすがりついた。

「申し訳ありません!私、とんでもなく…失礼なこと…!」

「…舞殿…。」

 そのまま 涙にくれる彼女の肩をそっと抱きしめた。

「どうか!二度と おっしゃらないでいただきたい。婚約解消など!」

 父が 涙に濡れた顔を上げて 哀願した。

「これは…息子は…お話が出る はるか前から 舞様のことを…」

「…お許しください…!」 

「舞殿!?」「な、なぜ…」
 
「私 どうしても…父の無念を晴らしたいのです!…どうしても!!」





 ざわっと 道場の空気が揺れて はっと我に返った。

 まだ…勝負が 決してないのか!
 もはや小半時は打ちあっているのに…!

 …!?

 舞殿が…すっと眼を閉じた!

「…!?」

 対戦相手の…宗像という男が かすかに瞠目した。

 …のも 一瞬…大上段に構えて打ち込んでくる。

 すぅっと動いた彼女の木刀が やわらかくしなったように見えた。
 渾身の一太刀を受け流されて 宗像の体勢が崩れる。

 よろめいた宗像の背に彼女の一太刀が見舞われる
 …というせつな 宗像が 後ろ向きのまま 片手でその一撃を受けた。

「そこまで!」

 唐沢隊長の声が響き、勝負は中断した。

 元通りの位置に戻り、礼を交わす二人。

 彼女のほほには赤みが差し、わずかに息があがっている。
 対する宗像の方は 涼しい顔…だ。息一つ 乱れてはいない。

「いいだろう。入隊を認めよう。」

 …!
 思わず 唇を噛む。

 …できれば…この時点で あきらめさせたかったのに!

「ありがとうございます!」

 とたん
 道場の最前列にいた一人の男が すっくと立ち上がった。

 …のを 合図に次々と 隊員達が立ち上がり、席を移動する。

 ??????

「おまえの席は そこだ。」

 隊長が 最初に立ち上がった男がいた席を指さす。

「…は?」

 舞殿の声が とまどっている。

 当然だろう…。

 どうみても 上座としか思えない席!
 なぜ…入ったばかりの…彼女に…?

「ところで…」

 一段高い床の間に戻った宗像という男が おもむろに口を開いた。

「さきほどから そこにおいでの御仁は、どなたかな?」

 …!
 ばれて…いたのか…!







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