スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←[9]虎穴にいらずんば 虎児を得ず →[11]急転直下
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【[9]虎穴にいらずんば 虎児を得ず】へ  【[11]急転直下】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「『恋だの愛だの』」
疾風怒濤

[10]手を翻せば雲と作り 手を覆せば雨となる

 ←[9]虎穴にいらずんば 虎児を得ず →[11]急転直下
手を翻せば雲と作り 手を覆せば雨となる 
 【人の心って かわりやすいのです  By杜甫】





「さあさあ!椿君 一杯 いきたまえ!」

「いえ あの 俺 未成年…」

「案ずるな!アルコールフリーのライトビールだ。
 俺も 家では もっぱらこれでな。肝臓休息のために」

「それでしたら 遠慮なくちょうだいします」

 素直にコップを差し出す。

 並々と注がれた液体は 本物そっくりな色と香りだ。

 ぐいっと飲み干したら ほのかな苦味がした。
 
 …が 確かに アルコール成分は なさそうだ。

「さ、おまえも 飲め!リトル・キャット!」

 りとる…?

「ちょ!その呼び方やめてよ!椿君の前で!!」

 かのこが 真っ赤になって抗議してる。

 子猫ちゃん…か

 へぇ
 俺と感性 似てるな…お義父さん。

「椿くぅーん どんどん召し上がってね、何か嫌いなものある?」

「いえ どれも すごくおいしいです。お義母さん お料理上手ですね」

「やだぁー!椿君ったら おじょうずー!」

「ねぇねぇ 椿君 読者モデルとか なったことないの!?
 すっごくおしゃれでかっこいいー!」

「恐れ入ります。でも、お義姉さんも すごくおしゃれで素敵です」

「いやーん!椿君ったらぁ!!」

「…あ、あの…さ。みんな?」

「なに?」「どしたの?かのちゃん」

「て、手のひら 返しすぎじゃない!?
 電話じゃ あんなに 反対してたのに!椿君 一目見たとたんにさっ!!」

「だってー!まさか こんな超上玉 来ると思わなかったもん!ねー?」

「ほぉーんと 信じられないわ!
 まさか かのちゃんが こんな素敵な男性 ひっかけてくるなんて!」

「さすが、わが娘。狩りの腕前は 超一流だな!!」

「な、なななな!」

 …。

 本人 目の前にして 言いたい放題だよな…ここんち。

「あの…では、かのこさんと 結婚 前提にした交際 お認めいただけ…」

「椿君!娘のこと よろしく頼むよ!」

「もう 一生 おつきあいいたしますぅー!」

「かのちゃんのこと お願いしますね!!」

 がっと 三方から 手を握られる。

「こ、こちらこそ よろしくお願いします!」

 ほっ!

 正直 雷の一つや二つ
 拳固の 一発や二発 覚悟してたんだが 
 
 好意的に迎え入れてもらえて よかった!!

「な、なに そのあっさりぶり…!」

 かのこのほうが ついていけず わなわな 震えている。

 とはいえ 本番はここから。

 正座して 改めて かのこの父親に正対する。

「つきましては 俺 1日でも早く かのこさんと結婚したいんです!」

 カバンから 預金通帳取り出して お義父さんの前に置く。

「学生の身ではありますが 親の援助なく
 在学4年間過ごせるだけの 蓄えはあります」

「ほぉ…?」

 お義父さんは 預金通帳を開き
 そのまま ピッキーンと 固まってしまった。

「どれどれ?」

 つられて 額面 確認した お義母さんとお義姉さんも 石になる。

「六本木ヒルズのマンション7LDK一室購入しましたので、いささか減りましたが…
 大学は国立で 授業料さほど高くないですし、俺たち4年間で卒業するべく努力しますし…
 就職するまで 充分 その残高でまかなえると」

「…い、いや…これ…4年間…どころか…」

「い、一般サラリーマンの生涯年給レベルじゃん!?」

「…あ、あの…これ どうやって…3億も!?」

「かのこさんの助言に基づいて FXで…」

「…なるほど…。だが 胆力がなければ こうは稼げん」

 お義父さんが 両手で ていねいに通帳を返してくれる。

「これだけ経済的に基盤ができてるなら 反対する理由はない。
 いつでも 準備整い次第 結婚するといい」

「ありがとうございます!」

「ちょ!と、父ちゃん!?」

「1日でも早いほうがいいよね!」

「今から 結婚式場の空き 問い合わせないと!!」

「ちょっと 待ったー!!!」

 うきうき腰を浮かした家族に かのこが 大声でほえる。

「みんな!大事なこと 忘れてるよ!!」

「ん?」

「結婚は 両家の問題でしょう!?椿家の意向は?!無視する気!!?」

「「「…あ…」」」

「忘れてたんかい!!」

「そうか…そうだよね…」

「ああ…どうしましょう 勝手に浮かれて…」

「そうだな。俺としたことが…うれしさで つい舞い上がってしまって…」

 とたんに
 どよーんと 空気が沈む。

 ん…!?

「こんながさつなちんちくりん 椿君のご家族に気に入られるわけないよね…」

「椿君 こんな 超優良物件だし…望めば どんなお嬢様も 喜んで来るものねぇ」

「眉目秀麗の一流大卒…ともなれば ご両親のご期待も並々ではなかろうし…な」

「…すっごく 言葉の端々に ひっかかりはあるけどっ!
 そういうことだよ!
 私、嫌がられてる家に 無理やり嫁いで 耐える嫁なんてできないから!」

「「「無理よね(だな!)」」」

「声そろえて 言うなー!!」

 …仲のいいご家族だ…。

「ということは…後は 俺の家の許可さえ得れば…。
 いつでも 結婚OKと解釈してよろしいんでしょうか?」

「ああ。だが 椿君 無理してはダメだよ」

「ここまで 育ててくださった親御さんのご恩 忘れてはいけないわ」

「大丈夫 お互い まだ18。先の人生のほうが長いナリ。
 また 新たな出逢いがあるからさ!」

「…完全に 私が 嫌がられるって 見越してるね!?」

「とんでもない!お前は 私の自慢の娘だ。マイ リトル・キャット!」

「そうよ!だから 分不相応なとこにいって しなくていい苦労させたくないの!」

 お義父さんとお義母さんが がっしり かのこを抱きしめる。

「アンタが 理不尽な嫌がらせされたりしたらさ まず、アタシが切れるもんね!!」

 …いいご家族だよな…。
 みんな かのこを大切にしてるのが よくわかる。

「…わかりました。明日 家に帰って 家族に相談します」

「ああ。それまで この話は 保留ってことで」

「承知しました」

「今夜は 泊まっていってね、椿君」

「いえ、そんな…」

「もう遅いナリ。事故でも起こしたら 大変でしょ?」

「ありがとうございます」

 いい方たち…だ

 ここの人たちもみんな…。
 


「椿君 いい?」

 携帯閉じたタイミングで
 かのこの声が ふすまの外から聞こえてきた。

「ああ、入れよ」

 すっと ふすまが開く。

「ごめんね、寝巻き 父ちゃんのしかなくて…大きいよね」

「和服だから 大丈夫だ」

 ぐっと かのこを抱き寄せる。

「ちょ…つ、椿君!」

「お休みのキス しにきてくれたんだろ?」

 ひょいっと抱えあげて 膝に乗せる。

「…あ、あのさ、場合によっては
 破談になるかもなんだから あんまりこういうこと…」

「…は?」

「や。考えれば考えるほど 椿君のご家族が 賛成するとは…椿君!?」

「わ、悪いっ」

「な、何 笑ってるの!?ここは 深刻に暗くなるべき場面だよ!!?」

「『深刻に』ねぇ…」

 ホント こいつ 何もわかってねぇ!

「なぁ」

「なに?」

「約束しよう」

「…?何…を?」

「うちの家族が賛成なら 即 結婚式だ!1日も早く…な!」

「そりゃ…賛成してくだされば…だけど…でもさ どう考えても…」

「約束だ!いいな!?」

「う、うん…」

「よし」

 思わず 顔がにんまりそうになるのを 必死に耐える。

「安心しろ。必ず うちの家族『説得』するから」

「無理しないでね?
 私 嫌がられてまで 押しかけ女房する気ないし!」

「ああ しないとも」

 ふふん
 バカか おまえは

 おまえは 知らないだろうが…

 うちの家族に関しては

 『説得』する必要も
 『無理』する必要も

 最初から 全然 ないんだよ!

   





出典
貧交行

手を上に向けると曇ったり
下に向けると雨に成ったりするほど、
人の心は変わりやすい。
このように変心する軽薄さは数えるにも
足りない。

お金があるときは大勢の人が寄ってきたが
ちょっと悪くなるとさっと来なくなる。
なんと人情の無い人が多い事か。

君達見たまえ。
管仲と鮑淑の貧しい時の付き合いを・・
今の人はこの大切な義理人情を土のように
棄ててしっまた。

 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
総もくじ 3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【[9]虎穴にいらずんば 虎児を得ず】へ  【[11]急転直下】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【[9]虎穴にいらずんば 虎児を得ず】へ
  • 【[11]急転直下】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。