スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←落ち柿(side:薫 in『埋み火』第8話)【仙友浄友 №45】 →秋色(side:舞 in『埋み火』第10話) 【仙友浄友 №47】
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【落ち柿(side:薫 in『埋み火』第8話)【仙友浄友 №45】】へ  【秋色(side:舞 in『埋み火』第10話) 【仙友浄友 №47】】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「松蓮聖戦」
第5章 仙友浄友

秋色(side:仁志 in『埋み火』第9話)【仙友浄友 №46】

 ←落ち柿(side:薫 in『埋み火』第8話)【仙友浄友 №45】 →秋色(side:舞 in『埋み火』第10話) 【仙友浄友 №47】
秋色(side:仁志 in『埋み火』第9話)【仙友浄友 №46】





「~っく…」

 哀しい泣き声を聞くのが たまらなくて 口づけで唇をふさぐ。

 その…あまりに やわらかく甘い感触に 頭が真っ白になった。

 もっと深く
 もっともっと

 ほしい!全部!!

 夢中になって むさぼり続けた。

 瞬間
 舌に鋭い痛みを感じた!

「つっ…!」

 思わず 唇を離す。

 口の中に 塩辛い味が広がる。

 ぬぐった左手指先に赤い血の跡…。

 大きな目に涙をいっぱいためて 俺を見つめている…

 …俺じゃ…

 俺じゃ いやだっていうのか!?
 アイツには 少しも逆らってなかったくせに!

 怒りに 我を忘れた。

 掌で口を封じ、声を出せないようにして のどにかみつくように口づけをする。

 強引に襟元をはだけさせながら 唇を徐々に下にずらしていkく。

 胸には、鎖帷子がしっかり巻き付けてある。…というのは、前から 知っている。

 さすがに できるヤツは違う。用心がいい。いつでも 戦闘態勢 万端整っている。
 …と 隊でも評判になっていた。

 必死に暴れるのを押さえつけて 帷子の下に 手をはわせた。
 徐々に上にうごかしていく…。
 念の入ったことだ…きっちりさらしまでまいて…。

 …!!!!!!!!!!

 思わず がばと 跳ね起きた!

 …お、
 おんな…?!

 まさ…か!
 いや!でも…この感触は…!

「ふ、ふくちょぉぉ~」

 ぽろぽろ 泣きながら 桜木が訴える。

「い、今 説明しますから…手、離してくださいぃぃぃ~!」 

「あ。ああ!!」

 あわてて 手をもどす。
 
 べそをかきながら 桜木が起きあがる。
 着くずれ(させ)た着物を 直して改めて向き直る。

「申し訳ありません。全て 白状致します。」

 きっちり 正座して 畳に頭をこすりつける…。

 な、なにが どうなっているんだ?いったい!!










「亡き 佐倉大老の…ご息女!?」

「舞と申します。あらためて ご挨拶申し上げます。」

 なるほど…それで 得心がいった。
 あいつが熱愛している 許嫁 ご本人だったというわけか!

「…そのような深窓のご令嬢が…なにゆえ このようなところに…?」

 父上を亡くされたとはいえ、
 あれほど熱烈に想いをかけてくる許嫁がいるのならば

 なんら 先の不安は…。

「父の仇を討つためです!ここなら、父を討った攘夷派の情報が、どこより…!」

「私怨を晴らすために、狼士隊を利用したか。」

「…!ご、ご不快のこととは」

「ああ、実に不快だとも!…本来ならな…」

「…は…?」

 にっこり ほほえんでみせた。
 …のに ざざっと 桜木…いや 舞殿が 後ずさりする。

 すっと その体をだきよせ、胸の中に閉じこめる。

「ふ、副ちょ…?」

「助かった!ありがとう!舞殿!」

「は?」

「男を好きになるような変人の仲間入りをしてしまったかと 前途を悲観していたんだ内心。」 

 そのあごを もちあげて じっと眼をのぞきこむ。

「どうやら 本能的に 見分けられていたようだ…。自分で自分を ほめてやりたいよ。」

 よかった!本当に!

 桜木以外なら 想像するも おぞましい
 いままで嫌悪していた そっちの趣味に そまってしまったかと…
 
 自分で自分が 情けなくて
 だが どうしても 惹かれてこがれて…

 どれほどに 苦しみ抜いたことか!
 
「これで 安心して 続きができる。」

「なっ!わ、私には 許嫁が」

「それが どうした。」

 ばさっと 切り捨てる。

「そんなの…同性を好きになってしまったか…なんていう苦悩に比べたら 問題外だ!」

 どれほど 悩んだと思ってる!

 最初から 女性だと知っていたなら
 もっと早く 行動 起こしていたとも!

「で、でも!亡き父が 約束した…」

「神君 徳川家康公にあらせられては、豊臣秀吉公の遺児を お守りするという お約束を
 秀吉公亡き後は さっさとお破りになった。」


 往生際悪く じたばたあばれる舞殿を きつく抱きしめながら その耳にささやく。

「そんな約束 交わされたお父上が 亡くなられた時点で無効だ。」

「そ、そんなへりくつ…!」

「どうしても 気になるなら…」

「…!」

 俺の眼に なにか感じたのか 舞殿の顔が青ざめた。

「やつを 始末しようか?この刀で。」

「…!お、おやめください!何の罪もない方を…!」

「…あいつがいいのか?」

「…え?」 

「約束…が なくても、あの男と結婚したいと思うか?」

「…あ…。」

「俺を見てくれ…。舞殿。」

 これほどに
 本気で 人を乞う日が来るなんて…思わなかった。

「俺では…だめか?」

 生まれて初めての…真剣な恋…。

「…ふ、副長…」

「仁志でいい…」

 ゆっくりと 畳の上にその体をよこたえる。

「…仁志…さ…ま…」

 ほほが紅く染まっている
 やさしく その唇に口づけた。

「愛してる」

 俺のものに なってくれ!

 必死に 眼で 問いかけた。

 おずおずと
 そのきゃしゃな手が俺の背中に回ったのが

 彼女の答えだった。



『白鳥の歌』  「埋み火」☆テーマ曲

湖面をすべる 優雅な白い鳥
水面(みなも)に隠れた足は見えない
静かなる夜 かそけく響く虫の音
君を想う心 誰にも見えはしまい

月がささやく 優しくひそやかに
星が瞬き 君の面影 揺れている
愛の苦しみ 哀しみ 切なさを
知らずにいた日々 戻らない

             ― 『白鳥の歌』(シューベルト)より 着想 ― 



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
総もくじ 3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【落ち柿(side:薫 in『埋み火』第8話)【仙友浄友 №45】】へ  【秋色(side:舞 in『埋み火』第10話) 【仙友浄友 №47】】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【落ち柿(side:薫 in『埋み火』第8話)【仙友浄友 №45】】へ
  • 【秋色(side:舞 in『埋み火』第10話) 【仙友浄友 №47】】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。