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献上品

星守る犬 (11111☆キリリクSS)

 ←秋色(side:舞 in『埋み火』第10話) 【仙友浄友 №47】 →食欲(side:R)【仙友浄友 №48】
星守る犬【「恋だの愛だの」単発SS】

【犬がもの欲しそうに星を見続けている姿から、
  手に入らないものを求める人のことを指す】


 「マッチ ウォン バイ 椿!」

わっと どよめく大観衆

 よしっ!

 ラケットの陰で ぐっとこぶしをにぎり ささやかに ガッツポーズを 決める。

  ― 勝ったって事実だけで 充分 相手をへこましてるのにさ
    そのうえ これみよがしにガッツポーズみせつけるなんていやみったらしいよね ―

 って
 前に 母さんが TV見ながら つぶやいてたし…

「きゃぁぁぁぁああ!椿くぅうぅぅーん!」

「ルイさまぁぁぁー!!!」

 ちっ

 きんきん響く金切り声

 いつもながら うるさい観客席だ。

 …とはいえ

「ありがとうございました」

 きちんと 頭は下げる。

 ― 何がしかのアクションとったほうが むしろ 早く おさまるんだよ ―

「この後 登場される先輩方にも 引き続きのご声援 よろしくお願いいたします!!」

 にっこり微笑んで 声をはりあげてみせる。

 ― でもって その熱を 違うルートに 流せばいいんだよ ―

「はーい!!」 

 ミーハーたちの弾けた声を確認し
 言うだけ言った俺は さっさとベンチにひっこむ。

 観客から 姿が見えない位置へ

 そうしないと
 試合そっちのけで 俺にキャーキャー 黄色い声が飛んでくるからな!

「よぉ やったな!流維!」

「アンタも 大分 ファンあしらいがうまくなったじゃん!」

「父さん!母さん!」

 あわてて 走り寄っていった。

「観客席には いなかったから 今日は 仕事でダメかと思ってた!」

「愛する一人息子の晴れ舞台 来なくてどうすんのよ!」

「どこで見てたんだ?」

「このベンチ奥で モニター見せてもらってた」

「監督さんがね 観客席から見るのは 遠慮して欲しいって…」

「…ああ…なるほどね…」

 監督もこりたようだ
 地方大会の時は たちまち 素人カメラマンの群れに囲まれたものな!






「全国大会に進出 おめでとう!流維!」

「やるじゃないか。さすが 俺の息子だ」 

 大会終了後
 祝勝会にと 一家で繰り出したファミレス

 応対に出たウェイターは
 即座に 俺たちを 道路側に面したガラス窓のそばに案内した。
 
 …そのせいなのだろう

 平日の4時なんていう
 最も 閑散とするはずの時間帯なのに

 30分もたたぬうちに
 俺たちのそばの席から順に埋まっていき

 今 ファミレスは 超満員

 みながみな
 ちらちら こっそり
 あるいは まじまじ 堂々と
 こっちの様子を うかがっている

 まー
 子どもの頃から いいかげん 見慣れてる現象だけどな

 いまさらだから 俺たちみんな まったく動じない

 なんせ
 目の前にいる親父は
 30代半ばというのに やけに若々しくかっこよく

 かたわらにいるお袋は
 親父と同い年なのに 眼鏡外すと やたら可愛い美少女にしか見えず

 小柄できゃしゃな体型もあって
 どうかすると 俺といてさえ 妹に間違われるほどだ。

 だから 仕事のときは 黒ぶちめがねとスーツで 必死に大人っぽくみせてる
 (立派な大人なのに 大人っぽく…つーのも 妙な話だが…)

「でも 流維も しっかりしてきたねぇ。
 ちっちゃいころは あんなに 甘えただったのに」

「かけらも記憶にない過去の責任 求めるな」

「…そうだな…。
 やたら かのに 抱きついて キスしたがって
 ひきはがしたら泣き出す くそ生意気なガキだったが 少しは常識 身についてなによりだ」

「……」

 そりゃそうだ
 そのたんびに 親父のマジげんこ くらったからな!

 …とは 口に出せない。

「しょうがねぇだろ。ガキで…意味 わかってなかったんだから!」

 あのな!
 親父がやってること 真似たがってただけだろ?

 ガキってもんは 親の真似しながら育つもんなんだよ!

「あの頃は…『ぼく 大きくなったら ママと結婚する』なんて
 ねぼけたこと ほざいてたからなっ!!」

「…だから…ガキだったんだって!」

 そのガキに マジでキレてたアンタも どうかと思うぞ!?

「流維って ホント パパに瓜二つだし…。
 中1でこれじゃあ この先の争奪戦がすごそうだよねぇ…」

 しみじみと 遠い目をして 母さんがつぶやく。

「興味ねぇし」

「その調子だ、流維」

「へ?」

「ミーハーどもなんぞ まともに相手するな。
 無視しろ。適当にあしらえ。いっさい とっかかりを与えるな」

 バッサリと 親父が きり捨てる。

「どうせ 外見だけで 騒いでるだけの バカなヤツらだ」

「…ひどいねぇ…。中には 純粋に 想いを寄せてる相手だっているんだよ?」

「なら、なおさらだ。余計な期待 持たせるほうが よっぽど ひどいだろう」
 
 ぐっと 親父が お袋を抱き寄せる。

 …やば…

「ほれる相手なんぞ 生涯 一人だけで充分だし…な」

 ― ちゅっ ―

「ちょ…っ!初流!!」

 かわいそうに
 母さんは 真っ赤になってる。

 何度やられても 慣れないらしい、
 まあ、慣れるわけないよな これは。

 周囲は真っ赤になって固まってる。

 すみません バカな親父で…。

「ひ、人前ではさ!」

「あのさ 親父 少しは 恥って言葉…」
 
「高校時代は おでこやほっぺで我慢してたんだ!
 我ながら 辛抱強いヤツだったよな!」

 聞いてねぇし!!

「おまえも 本気で惚れる相手見つけるまでは 絶対に ミーハーな奴らを相手にするなよ。
 行動起こすなら 生涯 コイツといたいって相手だけにしろ!気まぐれで 女と遊ぶなよ!」

「…13歳の純情ボーイに言うアドバイスか?それ?」

「俺がおまえの年には 年上の女から さんざん うっとうしいアプローチ受けてたからな!」

「…へぇ…?そうなんだ?」

「お、俺は 一切 相手にしなかったからな!」

 母さんのじと目に あわてて言い訳する親父

「わかってるよ、超クールだったもんね、初流は」

 にっこり微笑む おふくろ
  
 …超可愛いよな 身内の贔屓目 差し引いても
 
「かの…」

「ストップ!」

 再度 近づいてきた親父の唇を
 お袋は 今度は 寸前で とめた。

「周囲への気配りは 忘れないでおこうよ!」

「…ああ…」

 舌打ちしそうな声で 親父は周囲を見渡す。

 とたん 周りのやつらが そそくさと自分の席に向き直った。

「流維の選ぶ女の子って どんな子かな?今から 超楽しみ!」

「気 はぇえよ。俺、まだ13なんだから」

「俺が かのと出逢ったのは、14の時だった。そう違わないだろ」

 …そうでした…。

 親父って ホント 運が いいよな。

「少なくとも…今 俺の周りにいる女の中には いねぇよ」

「そうなんだ。でも、ま、焦ることはないからね」

「いずれ お前にも現れるさ、運命の女がな」
   
「はいはい 気長に待ちますよ」

 別に 理想 高いわけじゃない

 ただ

 揺るがぬ信念があって
 苦難にめげない根性があって
 緊急事態に対処できる知恵があって
 こうと思ったら、断じてやる行動力があって

 そのくせ 外見は 守ってやりたいくらい可愛い

 そんな女がいい

 俺の理想って その程度のささやかなもんなのに…。

 なぜか なかなか 現れてくれないんだよなぁ…。

「全国大会は、北海道だよね?」

「ああ」

「いいチャンスだし、日程にあわせて休暇とるから 家族旅行も兼ねようよ!」

「でも、選手は合宿だから…」

「それが終わった日程に あわせるからさ!」

 にっこり 母さんが微笑んだ。

「アンタも 初めての大舞台で 気はって 疲れきってるはずだしね!」

「…うん…サンキュ…」

 ほほが 熱くなる。

 おふくろって なんというか ツボ心得てる。
 さりげに こういうフォローしてくれるんだよな。

「…流維…」

 親父が 不機嫌そうに割り込んできた。

「ん?」

「気長に…なんていわず さっさと 相手見つけるんだな!」

「…は?」

 なんだ?
 なんで 親父 こんなに怒ってるんだろ??




  11111番を お踏みになった梨璃様にささげます!*^0^*
   「椿かの」の一人息子「流維(ルイ)」の視点による椿かのです。



 






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