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「松蓮聖戦」
第5章 仙友浄友

食欲(side:S)【仙友浄友 №49】

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食欲(side:S)【仙友浄友 №49】






「紅葉」の曲を奏でる琴の音色が 静かに流れている。

 高級ホテルのホール。
 撮影隊のために 特別にしつらえられた 食堂。

「しょ、尚!ほら!こっちが空いてるから…」

 祥子さんが 必死に言うのを無視して 窓際のテーブルに近付く。

「失礼します。敦賀さん、キョーコ。」

「…ショー!」

「や…あ…。安芸さん、不破君、こんばんは」

「ご同席 よろしいですか?」

 ダメに決まってるだろう!…と 言いたげな すさまじい目つきを向けられる
 …が 祥子さんの手前 言葉にはできなかったようだ。

「もちろんだよ、どうぞ。」

 すっと 立ち上がって 祥子さんの椅子を引いて座らせる。

「あ、ありがとうございます。敦賀さん。」

「レディに対して 当然の礼儀です。」

 恐縮する祥子さんに いかにも嘘くさい笑顔で応える。

 紳士ぶりやがって!このセクハラ魔王が!!

「あの…敦賀さん。塩とか おしょうゆも しみませんか?」

「薄い味なら 平気だから。幸い 京都は 薄味で助かるよ。」

 キョーコが おずおずと やつに聞いている。

 どうやら キョーコが反射的に噛んでしまったという
 ヤツの舌の傷に 食い物がしみるようだ。

 自業自得だ!いっさい 同情の余地はない!!

 あの…シーン!

 やつが もはや 野獣の本能のままに 行動してるってのは すぐわかった!

 手近にあるもの 投げつけてやろうかと思った!
 なぜだか コップも瓶も 下げられていて 紙コップしか 手元になかったのが 悔しい!

「こんなにおいしい秋の食材並んでるのに…そんな状態で 大変ですね、敦賀さん。」

「…うっ…」

 とたんに キョーコが しゅんとするので 即 フォローする。

「打ち合わせなしで あんなことされたら 怖がって当たり前だろ?お前は悪くない。」

 悪いのは こいつ!
 あくまで こいつだ!!

「これにこりたら 撮影にかこつけたセクハラ行為なぞ おやめになるんですね。今後一切!」

 むろん 撮影以外でもな

「…つい 役に入り込んでしまうのは 役者のサガってものだよ…?」

 真っ正面から にらみすえたオレを やつも 怒りに燃えた眼でにらみかえしてきた。

「しょ、尚~。」

「つ、敦賀さん…」

 俺達の間にはさまれ 女二人は おろおろしている。

「「こんばんは」」

 突然 色の違う美声が二人分 響いた。

「あ、東国…さん」「…やあ…こんばんは」

 ある意味 これ以上ない珍客の登場だ。

 なにしにきた?こいつら…。

「すみません お取り込み中の所」「僕たちも 相席よろしいですか?」

「ええ!そりゃもう!」「どうぞ どうぞ!」

 祥子さんやキョーコが 即 喜色満面に迎え入れる。

 オレ達が 何一つ口挟むスキもない。
 
 女達が こっそり「助かった!」と 視線を交わしてる。

「ついさっきまで 殺陣 仕込まれてたんですよ みっちり。」

 兄の怜司が にこにこと話しかけてきた。

「…『つい さっきまで』って…」反射的に 敦賀が腕時計を見た。

「…6時間も…?」

「ええ!でも まだまだで!」「この後も 特訓して頂くことになってます!」

「た、大変ですね…。」

「京子さんと やり合うんですから 当然ですよ!」

「『そんなんじゃ、京子ちゃんのせっかくの腕が生きない!』って 殺陣師さんが 怒るんです。
 そりゃもう 本気で。」

 …だろうな…。

 撮影前は「あ~あ 女子どものちゃんばらごっこのお相手かよ。」と ぐちっていたという
 職人肌の殺陣師は(監督が 本物志向なので 名人中の名人を呼んだらしい)
 京子の練習につきあいだして 5分とたたないうちに 眼の色を変えた。

 掛け値なしに 容赦なく仕込み出した。

 京子も それに応えて めきめき…

「京子さんの『薪払い稽古』、制作裏話特番で 放映されたでしょう?」

 10本から始めて…徐々に 薪の数 増やしていって
 ついには 目隠しで100本 払えるようになった…っていう あれか。
 
 …あれが…1日で できるようになるんだから…つくづく化け物だな、こいつは!

「僕たち あれ見て 自分で自分が 恥ずかしくなって…」

「女優さんが 顔や体に 青あざ作って…ドーランで それ隠しながら がんばってるのに…
 殺陣が無理だの 英語ができないの…たやすく 泣き言言ったりして…最低ですよね。」

「い、いえ…そ、そんな」

「お恥ずかしいです…どうしても 母には逆らえなくて。途中で放り出すような形になって」

「でも、なんとしても 母を説得して戻ろうって 思ってたんです!」

「そう思ってるうちに…俺達が 割り込んできたってわけですか…すみませんでした。」

「いえ!おかげで 母も おとなしくなりました!」

「自分の力の及ばないことがあると とことん思い知ったようです。」

「お二方が 勝手に撮影に戻ったこと 怒ったりなさいませんか?しかも、脇役で。」

 おまけに『憎まれ役』の『悪役』で!

「怒るかもしれません。」「いえ、たぶん 怒るでしょうね。」

「…い、いいん…です…か?」

「母のことは愛してるし尊敬もしてます。でも、僕たちの人生は、僕たちが歩むんです。」

「そろそろ 親離れしませんとね。いささか 遅きに失したかもしれませんが…。」

「そんなことありませんよ!ご立派だわ!お二人とも!」にこにこと祥子さんが請け合った。

「そのお気持ちがあれば きっと 成功なさいますよ!」

「「ありがとうございます」」

 その後、二人は 手早く食事を終えて 殺陣の特訓に 戻っていった。

「このトラブル…まんざら 無意味じゃなかったようだ…。」

「まあ…やっと 人並みになりました…って とこでしょうがね!」

 全く!ふざけた親子だ!

 オレだって さんざん 甘やかされたが!
 こと仕事や責任ってことになると おふくろは鬼だった!!

 オレなら しないぞ!
 仕事を 途中で ほうりだすなんて!!

「…最上さん?冷めるよ、お料理。」

 …ん?

 …キョーコ…?

 大好物の松茸の土瓶蒸しが目の前で ほかほかと湯気をあげているのに
 さっきから 箸が 全然進んでない…?

「あ…っ!」
 あわてて キョーコが 目の前の土瓶に手を伸ばした。

「あ、あつっ!」「キョーコ!」

 うっかり じかに土瓶に触ってしまった手を あわててもどしている。

「だ、大丈夫!?」

 ヤツが 即 おしぼりに氷水を含ませて キョーコの手に当てる。

「す、すみません!失礼して 流水で冷やしてきます!」

 そそくさと キョーコが立ち上がって、洗面所に向かった。

「どうしたのかしら?キョーコちゃんらしくないわね。」

「…ええ。」

 ヤツと祥子さんが 気遣わしそうに 見送っている。

 確かに
 キョーコらしく…ない…。

 どうして…。

 …。

 …!

 しまった!
 今の兄弟の会話!

 もろ キョーコのトラウマ ついてしまってる!!










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