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「松蓮聖戦」
第5章 仙友浄友

錦秋(side:K)【仙友浄友 №56】

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「…また 眠れなくなった?」

 睡眠薬 差し出してくれながら 敦賀さんが 心配そうに言う。

「す、すみません。なんだか高揚した気分が脱けなくて…。」

 規定の量、コップの水で 一気に飲み干した。

「一生懸命だったものね。お疲れ様。」

 敦賀さんが 空のコップを受け取って 備え付けの流しに持って行ってくれる。

「…すごく素敵なヒロインだったよ。つい…本気にさせられたくらい。」

 …え?

「ほ、本当ですか!?」

 ぱぁぁぁっと 目の前が 明るく開けた気がした!

「もちろん。熱演だったね。」

 敦賀さんが 優しくにっこりうなづいてくれて 胸が熱くなった。

「…なにしろ 本気で噛むんだものね…かりにも 先輩の舌…。」

 う”っ…!

「そ、その件につきましては…いたく反省申し上げ…二度と再びこのような過ちをおかさぬよう
粉骨砕身 鋭意 精進潔斎の限りを…。」


「癒しの儀式…してもらえる?」 

「…え?」

 イヤシ ノ ギシキ…?

「監督がやってたやつ。」

「はっ?」

「ほら、監督が、今日、大道具にひっかけて切り傷作ったとき…。」

「あ!ええ、スタッフさんが あわてて消毒薬とバンドエイド持ってき…え?」

 きゅら きゅらっ きゅらららっっ

「あんな癒しの儀式あるなんて知らなかったな。日本の文化って奥が深いよね。」

 実にさわやかに ほほえむ…。
 背後からは 後光が射して見える気さえする…!
  
「ああああああのあのあの!あ、あれは!ぶ、文化とか そそそそういうのじゃなく!」

「『こんなのなめときゃ治る』って ぺろっとご自分で傷口なめてすませちゃったのには、
ホント おどろいた!あんな儀式、初めて知ったよ。」


「あああああのですね!あ、あれは単にっ!監督がずぼらで 野生に近い方なだけで…!」

 …の先は 言えなかった。ぐっと抱き寄せられて にっこり見つめられて…!

「痛かったよな…舌って すっっごく 神経あつまってるし…。」

 う…

「しかも しゃべるたびに 傷にさわるし…かといって しゃべらないと 仕事にならないし…」

 ううぅ…

「せっかくの秋の京料理…傷がうずいて 満足に味わえなくて すごく惜しいことを…。」

「…させていただきます…つつしんで…。」

 そう言う以外、私に何が言えただろう…。

「ありがとう。じゃあ」

 ひょいと抱き上げられて ベッドに横たえられて ぎょっとする。

「つ、敦賀さん!?なぜ、わざわざ ベッドに!」

「どうせ寝るとこだったし…立ったままじゃ 身長差がありすぎて 辛いだろ?」

 私の上になって 敦賀さんが ほほえむ。

「癒してくれるよね?この傷…。」

 言うが早いか 即 唇がふさがれて 敦賀さんの舌が からんでくる。

「んん…」

 あのシーン…のような…激しい口づけ。

 あのときは、つい…噛んでしまった…

 わ、わざとじゃなかったのよ!ホントよ!

 だって!台本では あんなに深いキスじゃなかったんだもの!

 本気で おびえてしまって…つい…。

 こ、今度は かんじゃダメ!
 これは 治療なの!手当なの!!

 奥まで忍び込んでくる 舌の吸い付いてくる感触に必死に耐える。

 で、でも これ…
 なんだか 私が なめてる…というより…。

「んんん~…!」

 そ、それに
 やけに 時間が長い!!

 本気で息苦しくなって 思わず敦賀さんの背中のシャツをつんつんひっぱった。

 ハッとしたように 敦賀さんの動きが止まる。

 ゆっくりと 唇が離れてくれて ほっと息が付けた。

「…ごめん…。」

 どこか ぼうぜんとした声で 敦賀さんがつぶやいた。

「い、いえ。あ、あの…舌の傷…は。」

「…ああ…いや…。」

 ?????
 どうしたんだろう?なんだか…様子が…。

「さっきの薬 俺も 飲んでおくよ…。」

 さっと 敦賀さんが ベッドから おりた。

「え?」

「どうも…疲れすぎて 寝られないみたいだ…。」

「あ、じゃあ 明日の予定…」

「明日の紅葉狩りには 絶対 行きたいから!なんとしても 今夜 熟睡しないとね。」

「そ、そうですよね。」

 薬を飲み終えて ベッドに戻ってきた敦賀さんが 改めて私を抱き寄せた。

「さあ、寝よう。おやすみ。」

「おやすみなさい。」

 降ってきたキスはいつもの軽い挨拶…舌先が少し触れる程度の。

 私も 同じように返す。触れるだけの軽い口づけ。

 なんだろう…。
 なにかがヘンだった…さっきの敦賀さん…。

 でも…「何」がかは わからない…。

 そんなとりとめのないこと 考えてるうちに
 いつのまにか とろりと甘い眠りの世界に入っていた。






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