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「松蓮聖戦」
第5章 仙友浄友

ヴォジョレー解禁(side:K)【仙友浄友 №59】

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ヴォジョレー解禁(side:K)【仙友浄友 №59】





「みんな!お疲れさん!おかげで 『埋み火』は 大好評!君らのおかげだ!」

 黒崎監督は 上機嫌で 挨拶している。
 料亭の日本庭園にしつらえられた 立食テーブル

 そこかしこに ごちそうが 盛られている。

 そして 一つのテーブルには とりどりの…

「丹波ワイナリーから 山ほど うまいワイン仕入れてるから 遠慮なく飲んでくれ!」

 わっと 歓声が上がる。

 ワインが…ところせましと 並んでる。

「嫌味だよな…俺らは どうすりゃいいんだ?」

 尚が かたわらで ぽつりとつぶやく。

「未成年は 俺たち 二人だけだしな…!」

「そうよね…」

 …同感だ…こればかりは。

「まあまあ…お二人には 丹波ワイナリー特製のぶどうジュースなんかいかがです?」

「色は ワインそっくりでしょう?」

 東国兄弟が 紫色の液体をなみなみと注いだ グラスを差し出してきた。

「はあ…」

「いただきます…」

 大先輩方の サービス 断るわけにいかない。

 しぶしぶ 受け取って 口に含む。

「おっ?」

「わぁ おいしい!」

 純度100%の葡萄ジュース!こくとまろやかさが まるで違う!

「でしょう?」「ジュースといっても、このワイナリーのは、ひと味違うんです。」

「ワインも さぞ うまいんでしょうね…」

 ショーが 意地汚くつぶやく。

「すみません。未成年にお酒、飲ませるわけには…。」

「スキャンダルになったら せっかくの大ヒットが、水の泡ですし。」

「わかってます。我慢しますよ、あと2年と1ヶ月。」

「…ということは、不破君は もうすぐ18?」

 東国兄弟の兄 怜司が 尋ねてきた。

「ええ、12月8日で」

「ジョン・レノンの命日…ですよね。」

 弟の圭司が 言い添える。

「どうせなら 彼の誕生日に生まれたかったですよ…」

 ビートルズのナンバーは、ショーの十八番だった。

 得に、ジョン・レノンには 一番に傾倒してたっけ。

 このバカが 英語ぺらぺらなのは
 女将さんに 厳命された(京の観光客の主流は 今や 外国人だから)こと以上に
 ひとえに『洋楽を自在に歌いたい』っていう手前勝手な動機のおかげだ。

「さしずめ、ジョン・レノンの生まれ変わり…かな?」

 ぐっと ショーが ジュースを喉に詰まらせた。

「と、とんでもない!おそれおおすぎます!」

 …。

 こいつにしては、やけに殊勝な言葉…。

 思えば こいつのわがままに 振り回されて過ごした少女時代
 
 『謙虚』なんて要素 かけらもなかったのにな…。

 少しは こいつも 成長…

「最上さん!」

 息を弾ませながら 敦賀さんが急ぎ足に近寄ってきた。

「あ、敦賀さん おかえりなさい。お電話のほうは…。」

「なんとか 会話が通じたよ。麓の方に 20mも 下ってやっとね。」

「よかったですね」

 契約してるファッション・ブランドからの連絡が来たものの
 どうにも電波の調子が悪く 料亭の方のアドバイスに従って
 話がはっきり聞こえるようになる場所に 移動していたらしい。

「おいしそうなワインですね。香りもいい。」

 すっと 私の腰を抱いて、にこやかに 東国兄弟に話しかける。

「え、ええ。僕ら 京都人は もっぱら これでして…。」

「和食にも合います。い、いかがでしょう?」 

「ありがとうございます。テーブルにいって物色してきますよ。種類も多そうですから。」

 ぐっと 私の腰を抱き寄せる。

「君も こんどは 白ぶどうジュースにするといい。取りに行こう、いっしょに。」

「…あ、はい!」

 にこやかに挨拶をして その場を 失礼した。

「…こんなことなら 社さんを 先に帰らせるんじゃなかった…!」

「は?」

「ああ。いや!社さんにも この打ち上げ 参加させてあげたかったな…って!」

「そうですよね!残念です!」

 敦賀さんが 12月と1月には パリ・コレのためにフランスに行きっぱなしになるから…
 11月…は、もう これでもかっとばかりに 仕事が押し寄せてくるらしい…。

 その調節のために 社さんは 昨日から 東京に戻っていらっしゃる。

「…2ヶ月…も…日本を離れるんですよね…敦賀さん…」

「専属契約の条件の一つだし…こればかりは…ね」

 ずきんと 胸が痛む。

 敦賀さんがいない あの部屋なんて…どんなに 寒々しいことか…。

「…本当に うまい!どのワインも…!」

 あれこれ 飲み比べながら 敦賀さんが 感嘆した。

「知り合いのソムリエから『今、一番 うまいのは 丹波ワインですよ。』って 聞いてたけど
 本当だな!赤・白どれも、それぞれに 逸品だよ!」


「…そうなんですか…」

 残念だけど 未成年の私が飲めるのは 赤と白の葡萄ジュースだけ。

「君が20になったら、俺が 飲みにつれてってあげるから…。」

 優しく 敦賀さんがほほえんだ。

 う”…!

 す、すねた顔してた?私!

「2年後のクリスマス…ディナー付きで 祝ってあげるよ。」

「ク、クリスマス…って…」

「誕生日だろ?君の…」

 胸の中が ぽっと 温かくなる。

「そ、そういえば…昨年のクリスマス…フランスから 空輸で冷凍バースディ・ケーキ贈って
 くださいましたよね。いっぱい クリスマスのお菓子も 付けてくださって…。」


「ああ…。ごめんね。あの程度のことしかできなくて…」

「いえ!すごく…うれしかったです…。」

 私なんかの…誕生日 祝ってくれる人がいて…。

「今年は、もう少し ゴージャスにさせてもらうから。楽しみにしてて。」

 にっこり ほほえまれて 一気に 背筋が寒くなる!

 こ、この人の「もう少し」は!
 「少し」ですんだためしがないんだもの!

「これなんか きっと 最上さん好みだろうな。」

 細くて背の高いグラスに入った 黄色っぽいワインを掲げてみせる。

「白ワインですか?」

「すごく甘くて とろりとしてる。遅摘みセミヨン…貴腐ワインだな。」

「わぁ…おいしそう…。」

 うぅ…まだ 17歳なのが うらめし…。

「味見してみる?」

 きゅら きゅらっ きゅららっっ

 う”…!?

 な、なぜ
 この会話で その…似非紳士スマイル!?

「さすがに グラスで 飲ませるわけには いかないから…。」

 ぐいっと 腰を抱き寄せられて 木陰に誘導される。
 会場の隅っこの 人気のない 大木の裏側。

「ちょっとだけ…味見…ね。」

 言うが早いか 唇に口づけられる!

 舌先にとろりとした 甘みが流れ込んできた!

「どう?甘くておいしいだろ?」

「つ、つつつつつつるがさん…!」

 ななななんてことを!こ、こんな大勢、人がいる会場で!

「大丈夫。ちゃんと死角になるとこ 選んでる。」

 余裕のあるほほえみに ひとことも言い返せない!

「もう一口…ね。」

 二度目の…は さらに 長くて深くて…。 

 うう…。
 つ、つるがさんの 意地悪!

 顔が 熱くほてってきちゃったのは…

 ワ、ワインのせい…よ!

 ワインのせいなんだからぁ…!




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