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「『恋だの愛だの』」
Ⅱ アリアドネの糸

【40】毒を食らわば 皿までも

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毒を食らわば 皿までも 
 
 【物事は なんでも 徹底的にやるのがいいんです】


「どうやら すっごく期待されてるみたいだね、『アリアドネの糸』」

「なんでわかる」

「失礼だけど、この会社って中小企業レベルでしょ?
 なのに 国会議員が来てるよ、しかもけっこう大物の」

 凛とした美貌で有名な女性議員だ。
 野党ではあるけど、経済関連に強いことで知られてる敏腕。

「…よく 顔が見分けられるな」

「椿君も 少しくらいは 新聞 読むといーよ」
 
「おまえ…新聞なんか とってんのか。一人暮らしなのに よゆーだな」

「とってるわけないじゃん。図書室にあるの 読むんだよ。
 第一ね、新聞ってのは 1種類だけ読んでも ほとんど意味ないからね」

「なんで?」

「新聞社によって 言ってること 180度違ってるの!
 A社は 犯罪者を本名で記載するけど、B社は匿名で報道するとか、他にもいろいろね」

「そいうのって 規定があるんじゃないのか?」

「最低限の規定さえ守ってりゃ そこから先は 新聞社任せだしね」

「おいおい 何 すみっこで こそこそやってるかと思えば ずいぶん 色気のねー会話だなぁ」

 ん?

「御家…!…さん」

「こんばんは。ご挨拶が遅れまして」

「こっちこそ。それにしてもさぁ、かのちゃん。
 せっかく そんな盛装なのに こんなすみっこで壁の花たぁ 宝の持ち腐れじゃね?」 

「…はぁ…」

 冗談!
 『そんな盛装』だからこそ 目立たないように 隅っこにいるんじゃん! 

「ほら、踊ろうぜ」

「や。しゃ、社交ダンスとか 全然 まったく」

「こんなのリズムにのって 適当に回ってりゃいいんだって」

 なんつう アバウトな!

「俺、さっき動画見て勉強したから 少しは リードできる。ほら、Shall we dance?」

 おおげさに丁重な御辞儀をしてみせる。

「や、あの」

「まぁ、光栄ですわ!喜んで!!」

 ん?

 ひゅわっとあまやかな香りの風が通り過ぎた。

 …と 思ったら
 3m先に 御家さんが フロアに出ていた。

 パートナーは…か、叶美お姉さま!?

 いつもながらの優雅な笑顔で 周囲の男性陣を悩殺してるけど…。

 一緒に組んでる御家さんだけは なぜだか 顔面蒼白だ。

「…こりゃ 帰ったら 姉貴に 大目玉くらわされるな」

「へ?」

「いや!」

 くるっと振り返った椿君は さっと 私に手を差し伸べた。

「踊っていただけますか?」

「…は?」

「おまえ あの国会議員の話 聞いてみたくないか?
 フロアの中央にいるから ダンスでもしないと聞き取れないぞ」

「う!」

 確かに!
 彼女が踊ってる相手は、やり手として有名な商社社長。

 この会話は 興味ある!

「喜んで」

 にっこり微笑んで 椿君に手を差し伸べた。

ドレスアップ☆かのちゃん♪


「…なんだよ、結構 ステップできるんじゃないか」

「中学校のとき 体育大会で 教え込まれた」

「社交ダンスを!?お、男と踊ったのか!?」

「ワルツのステップだけね。女子だけのダンス!」
 
 何、かみつきそうな顔してるんだか!

「だけどさ なんで 椿君は 社交ダンスできるの。そのほうが よっぽど不思議」

「姉貴にさんざん相手させられてな!黒歴史だ!」

「なんだかんだいって 仲いいねぇ」

「…やめてくれ…」

 椿君は げんなりした顔したけど
 絶対 仲よし姉弟だと思うよ、うん!

「…これで、脱B国も 進みますわね」

「ええ。確かに 今は、採算割れですが…。
 B国も いつまでも ダンピングもどきな安値は続かないでしょうし」

「何より そういうすごい技術が 日本にあることが 心強いですわ」

「全くです。日本は 技術の国。
 2番じゃダメです。なんとしても 1番でなくてはね!」

 国会議員と商社社長の会話が聞こえてきた。

 …よしっ。

「…安心したよ」

「え?」

「正直 アリアドネの糸が完成しても
 B国の安値攻勢には 絶対 勝てないとふんでたから」

「っ!?」

「大丈夫。日本という国は バカじゃない。
 常に 最善の策 次善の策を考えている」

 ちろりと議員とやり手社長を見やってからさりげに離れる。

「この分なら 充分 国のほうで 補助してくれそうだよね!!」

 にっこりと椿君に微笑みかける。

「苗床…」

 会場の熱気に酔ったのか 椿君のほほが赤い。

「ね、祝杯をあげよう」

「へ?」

「この曲が終わったら 乾杯しよう。アリアドネの糸の完成を祝して!」

「あ、ああ」

 椿君も 微笑んだ。

 曲が終わる
 …と 同時に ぐいっと腰を 抱き寄せられた。

 ん!?

「露出多いよな、そのドレス」

「文句は アンタのお姉さまに 言ってよね!」

 ちゅっ

 むきだしの肩に なにやら 慣れた柔らかい感触

 ― ざわざわわっ!―

 っ!!!

「つ、つつ、つば…」

「俺たち 婚約者。自然な動作だろ?ん?」

 ~~っ!!

「あ、あんたね!」

「もともと『婚約者』って『捏造』したの 誰だっけ?」

 ぐうぅっ!!

「ほら、乾杯しにいこうぜ」

 ぐいっと 椿君が私の肩をつかんで 隅のテーブルに引っ張っていく。

「ははは あてられますな」

「いいですわねぇ 若い方は」

 背後で ほほえましそうな会話が響く。

 こ、こここ、こいつは!

 なんで 恥ずかしげもなく 衆人環視の中で こんなくさい演技ができるんだよ!

 アンタ 絶対 外国人の血が入ってるね?!
  
                        『アリアドネの糸』 ― 完結 ―


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