スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←短日(side:Y) 【絶えずの炎 №29】 → おみくじは運試し(side:K)【絶えずの炎 №31】
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【短日(side:Y) 【絶えずの炎 №29】】へ  【 おみくじは運試し(side:K)【絶えずの炎 №31】】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「松蓮聖戦」
最終章 絶えずの炎

おみくじは運試し(side:S)【絶えずの炎 №30】

 ←短日(side:Y) 【絶えずの炎 №29】 → おみくじは運試し(side:K)【絶えずの炎 №31】
おみくじは運試し(side:S)【絶えずの炎 №30】


「…アンタも 人のこと言えへんやないの…。自縄自縛 因果応報ゆうんはこのことやな。」

「…いやみ…言ってる場合かよ!」

「まぁ とりあえず 出雲におる間は あんたが 眼はなさんようにするこっちゃ。
 キョーコちゃん もういっかい 京都の病院にもどってくるやろ?」

「ああ。」

 ハードスケジュールが続くので 念のためと
 ずいぶんな変人ではあるが キョーコには過保護らしい あの古狸が確認してた。 

「…正真正銘 そのときが勝負やな…。うちも きばらな!」

 携帯電話の向こう
 おふくろの気合いのこもった声が響く。

「いったい なに…」

「アンタは心配せんでええ。なにはともあれ 目の前の仕事 きっちり がんばるのや!ええな!」

「ああ」

 そりゃ、当然だが…。

「出雲でいっぱいおみやげ買うてきてや。それも 復興支援のうちやで!」

「はいはい」

 自分のためも あるんだろうに!

「不破君、お客様がたが…」

 おっと

「仕事だ…切るぞ」

「がんばるんやで」

「ここ、八重垣神社は 素盞鳴尊(スサノオノミコト)が、大蛇(オロチ)を退治したあと、
 稲田姫と新居を構えた地といわれております。」


 すでに、キョーコが ミステリーツァーのお客様達相手にガイドを 始めている。

「昨日の舞台で、俺が歌った歌詞の一節に盛り込まれた和歌を覚えておいででしょうか。
 『八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣つくるその八重垣を』…この歌で歌われている
 八重垣がここなのです。」


 要所要所に 時間を決めて オレ達が立っている。

 お客様達は、別に フリーに回ってくれていいのだが
 たいていは オレ達が居る時間にあわせて その地を訪れているようだ。

「その和歌が、日本で最初の和歌と言われます。
 さらに社殿には、日本最古といわれる神様の壁画が描かれています」


 オレも 割り当てられている案内文を語る。

「かの出雲大社より さらに古い 歴史と格式のある神社なのです」

 琴南という女が続ける。

「社殿の奥の森の中には、稲田姫が鏡として使ったといわれる鏡の池があります」

「この池は、コインを紙に載せて浮かべ、その沈む速さによって縁談を占う
 占いの池として 有名で、今でも良縁を願い訪れる方が絶えません。」


「沈む速さが早ければ早いほど結婚の時期は近い。
 遅ければ 遅いほど 結婚する時期は まだ先ってことです」


「また和紙が遠くに流れていけば、ご縁の相手は、遠い地にある。
 近ければ、すぐ身近に 運命の相手がいらっしゃるということです」

「独身の方は一度試してごらんになってはいかがでしょうか。」

「素盞嗚命と櫛田姫のような すばらしい相手が
 あなたをどこかで待ってらっしゃるかもしれませんよ。」


 どよどよどよ

 見るからに お客様方が色めき立った。

八重垣神社 鏡の池


 
「やだー。なんで沈まないの!?」

「わー!池の端に 遠ざかった!え。縁遠いのか!?俺!!」

 …歴史と格式ある神社の社殿
 日本最古の障壁画の… 魅力そっちのけに 池の周りが大にぎわいだ。

「きゃー。沈んだ!置いたとこから、近ければ近いほど 身近なとこにいる相手…よね?」

「じゃ、もう 出逢ってるかもー!」

 きゃいきゃい…と かまびすしい。

「皆さんも!やってみられませんか?」

 お客様の一人が オレ達にも 声をかけてきた。

「「は、はぁ…。」」

 思わず 4人 顔を見合わせたが

「じゃ、私から。」

 琴南という女優が にこやかに進み出た。

 たしかに
 へたに固辞しては、場の雰囲気を悪くする。

「あら!近い!あなた もう運命の相手に出逢ってるのね?!」

「…え?」

 …とはいうものの…なかなか沈まない。

      — 待てば 海路の日和あり 東と南 吉 —

 水茎麗しい筆の跡が 水面に長くとどまっている

「…ま、まあ まだ 琴南さん 19だし!」

「そうよね!あんまり 早く沈んじゃ 私たちの立場がないわよ」
  
 心優しい お客様方が 必死にフォローするうちに ゆっくりと沈んでいった。

「もう出逢ってるけど…結ばれるのは まだ先…ってことか。」

「これから 愛をゆっくり育んでいくのね!将来が楽しみね。」

「は、はぁ。」複雑な顔で 琴南が下がる。

「さ!じゃ!次!京子さん!」

「え?あ。は、はい」

 顔にだけは 営業スマイルはりつけて キョーコが 和紙と1円玉を用意する。

 い。一円!?

「お。おい!」

「も、最上さん!10円か100円じゃないと 沈まないよ!?」

「…いいんです。どーせお遊び。1円でも もったいないほどですよ。」

「そんなっ!」「おまえな!!」

 ばっ
 罰当たりな…!

 こそこそっと オレ達だけに 聞こえる声で返事して
 キョーコは 鏡の池に 和紙を浮かす。

 キョーコが そっと1円玉を載せた。

「いくらなんでも…」

 1円玉じゃあ沈まないよ…という 周りの声も終わらないうちに

 キョーコの和紙は

 1円玉載せた瞬間 

 — 待ち人 常に かたわらにあり 北と西 大吉 —

 そんな一文を
 ぱっと浮かび上がらせ
 あっというまに沈んだ。

「「「「「え!?」」」」」

 全員が あっけにとられる

「う…!うそ!!どーしてえぇ!?表面張力と浮力重力の理論上 ありえない!!」

「こんなとこで 受験生モードだすな!」

「…あとは…俺達…か。」
 …!

 ずいぶんと真剣になった口調で ヤツがつぶやいた。

「…お先に どうぞ。敦賀先輩。」

「いやいや。君こそ お先に。」

 …っ!

 二人 思わず正面から にらみ合う。

「つ、敦賀さん?ショー?そこまで 深刻にならなくても!たっ、たかが おみくじですよ!?」


 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
総もくじ 3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【短日(side:Y) 【絶えずの炎 №29】】へ  【 おみくじは運試し(side:K)【絶えずの炎 №31】】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【短日(side:Y) 【絶えずの炎 №29】】へ
  • 【 おみくじは運試し(side:K)【絶えずの炎 №31】】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。