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「松蓮聖戦」
第1章 松の光合成

続:夢見草の吹雪(side:R)【松の光合成 №40】

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続:夢見草の吹雪(side:R)【松の光合成 №40】


「も、最上さん…!」

「お疲れ様でした。敦賀さん」

 ノックの主は、最上さんだった。
 にっこり ほほえんで 立っている。
 
「葛湯をいただいたので…敦賀さんや社さんにも 召し上がっていただきたくて。
 本場物で すごくおいしいんですよ!」


 その くったくない 笑顔に…ほっとさせられる。

 どうやら 俺が やらかした…失態…あれやこれや全部が
 彼女の中では『演技』で処理されていることに 心の底から 安堵する。
 (彼女以外には 何をどう思われようが いっこうにかまわない!)

 それでも
 さすがに
 「あれ」は まずかった…!

 撮影前…二人の会話に入れなかった…疎外感
 二人の世界には 割り込めないんじゃないか…と
 そんな焦りに 胸がひりつく…おもいをしていた…から

 俺の前に
 展開された
 見せつけられた 

 アイツと彼女のキスシーン…が…
 あまりにも…自然で…甘くて…

 …悔しくて…

 頭が 真っ白になって…

 それ以後のことは…実は…正直…あんまり…というか…全然…
 覚えてない…なんて言ったら 社さんが 心臓麻痺おこしそうだから やめておこう。

「桜味 抹茶味 小豆味 3種類あります。どれになさいますか?」

「まず 君が選んで?残りをいただくから」

「そんな!先輩より 先に選ぶなんてできません!」

 『先輩』…ね。
 思わず ためいき つきたくなる。

 尊敬も…信頼も…十分 してくれているのは わかる…。
 でも 俺が 君からほしいのは そんなものじゃない!

「じゃあ 抹茶をいただく…よ」

「はい。社さんは どれになさいます?」

「え?いや 京子ちゃんが先に…」

 そう言いかけた社さんも
 彼女が 絶対に 目上の者より 先に物を選ぶような人間じゃないことを 知り尽くしてる。

「小豆 もらうよ。ありがとう 京子ちゃん」やさしく ほほえみかける。
「はい♪どうぞ」彼女も にっこり笑って 社さんに手渡す。

 …!

 社さんにまで…嫉妬をしかけて…
 そんな 自分に つくづく 嫌気がさす。

 あやうく アイツを…殺しかねなかった…。
 よく 無意識にでも 的を外していたものだ…俺!

 そして…なまってなくて よかった 俺の腕!!

 消したはずの…捨てようと…していた 過去の…素の…自分が
 不意に…表に出てしまった…!
 
クロッカス


 最上さんが いれてくれた お茶 (これまた なぜだか すごくおいしい) とともに
 ゆったりと 過ごしていた ひととき。 

「あ。素敵です!この桜味!ほのかに塩味で 桜のいい香りがして…!
 春を食べているみたいです♪」


「あ。そうなの?それは おいしそうだね」

「ええ。一口どうぞ♪社さん」

「え”っ…」社さんが 固まる。

 はい あーんの体勢で スプーンに ひとさじすくった 葛湯を差し出す彼女に…!
 (それは もう 極上の天使スマイルというおまけつきで!)

「あ。い、いや!京子ちゃん!お気持ちだけで…おなかいっぱいだから、ありがとう!」
 社さんが(なぜだか)青ざめて ふるえている。

 賢明です…、社さん…。

 その一口…受け取ろうものなら…。
 俺…本気で…何したか わかりませんよ…?!

 なんともいえないどす黒い気分におそわれる…。

 この娘…。
 まさか…よもや…こぉゆうことを ほかでも お気楽にやってのけてるのか?!

「つ、敦賀さん?あ、あの どう…か なさいました…か?」

「いや…。べつに…」無表情をとりつくろうのに これまでにない演技力を要した。

「でも…悔しかったです…」

 ふいに
 最上さんが つぶやく。

「え?」

「私…結局…また…演技させられちゃいました」

「そんな…こと…」
 
「だって!私、途中で…演技が 演技でなくなっちゃったんですっ!!
 気がついたら 自然に 体が 声が 勝手に 動いてたって感じで…!!」


「いや…。それは…」

 むしろ…すごいんじゃないのか!?あの状況で!!

 本気でそう思う!!

 よく…俺の あの…大暴走…というか むちゃくちゃに ついてきてくれたもの…だ…。

 と いうよりも!
 彼女の あの 一言が なければ
 俺は いったい どんなこと やらかしていたのか…!

「…君のおかげで 俺の…『解釈』…が…採用されたんだ…」

 ありがとう

 内心の罪悪感を封じ込め 心からの感謝を込めて
 にっこり ほほえみかければ 彼女のほおが赤く染まる。

「敦賀さんに そういって いただけるなんて…光栄です」

 それは うれしそうな はにかんだ笑み…。
 おもわず…くらっとする。

 このっっっっ… 天 然 小 悪 魔 が!!!!!!

 またも 思わず 抱きしめそうになって あわてて 気をひきしめる。

 夕方の「あれ」は、「お姫様のご機嫌が直ってうれしい」…という 
 本当に自然な 実に立派な 口実があったが
 今は さすがに とってつけられる 適切な 言い訳は…。

「ごちそうさまでした。それでは 失礼します」

 葛湯を食べ終わり
 俺達の分の食器も いっしょにもって 最上さんが去っていこうとする。

「ごちそうさま。わざわざ、ありがとう。最上さん」

「なっ つ、つるがさん!?」

 かまわず 抱きしめた。
 視線のはしっこで 社さんが ひきつっていたが 気にしない。
 言い訳なんて こじつけるために ある!

「な、ななな 何なさ…るんですかぁ!」
「おいしい 葛湯つくってもらった お礼♪」
「そんな!お湯入れてかきまぜただけですから!」
 は、離してくださいぃぃ―!

 あせって、真っ赤になる彼女が 本当に可愛い。

「敦賀さーん。お願いですから!子ども扱いはやめてくださいぃー!!」 

 そんなつぶらな瞳で
 涙目で 上目遣いに言われても
 よけいに あおられるだけだよ、お嬢さん。

 こういうこと…を
 「子ども扱い」って 思ってるんなら
 思いっきり 猫かわいがりさせてもらおうじゃないか。

 俺は
 君の「尊敬する大先輩」…で。
 「兄のような」存在…なんだろう?













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