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天地の詩

【天地の詩】 序章

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天地の詩 序章

高千穂峡

「高千穂峡」Graphic by (c)Tomo.Yun


 天地(あめつち)の発(ひら)けし時…

 いざなぎ・いざなみ神は 3柱の神を生んだ。

 初めに生まれたお子は女。光り輝くほどにまばゆいすばらしい女神だった。

 両親はいたく喜び、日を統べる大神の役を任じた。

 以後、かの光り輝く女神は日照大神(ひのてらすおおみのかみ)と名づけられ、
 すべての神の頂点に立つこととなった。

 時はくだり。

 日照大神は、人間の世界…豊野葦原国を治めさせようと、自分の子孫を下界に降ろした。

 高天原から遣わされた神の子孫は、高く尊い峰の頂上に降り立って、こう言われた。


「『おお、なんとすばらしいところだ。
 韓国(からくに)に正対し、朝日が輝き、夕陽がさす日向(ひむか)の地。
 私は、ここに宮を建て、国を造ろう。この地を、拠点にして、国を治めよう』」


「それが、私たち、高千穂一族のご先祖さまなのよね?」

「そうですよ。美穂姫」

 寝台の傍ら
 私が寝付くまで いつもそばにいてくれる従者の暁人が やさしく微笑んだ。

「あなた様の金の髪、茶の瞳は、その証拠。日照大神さまのお姿が現れたのですよ」

「美穂という名も、天孫様にちなんでつけられたのよね?」

「ええ。最初に下界に降り立ったとき、真っ暗だった世界を照らしたのは、一本の稲穂でしたから」

 暁人が、そっと私のかけぶとんを直してくれる。

「あなた様が 金の髪を持ってお生まれになったのは まさしく神の恵みだと 王様も王妃様も 非常に喜ば…」

 ― かんかんかんかんかん ―

 …!?

 がばっと 起き上がった!

 暁人は すでに 太刀を鞘から抜き放っている。

 敵襲!

 な、何者が!?

 強固な警備をくぐりぬけて この堅牢な城内にまで!

「美穂姫!私から 離れないでください!」

「はい!」

 暁人に守られながら 上にいそぐ。城内は 大騒ぎだ。

「美穂!」「ああ、よかった。無事だったのですね!」

「お父様!お母様!」

 最上階。
 高楼で 両親に会えた!

 お二方とも 戦闘服。
 てきぱきと 指示を出している。

「猛弧のヤツらめ…多勢を武器に 次から次へと…!」

 遠い西南の異国から 黒潮という名の海の道をたどって押し寄せてくる。
 そろいもそろって 目の端に三角の黒い刺青を彫っている彼らを 私たちは「獰猛な狐」
 猛弧(もうこ)と呼んでいる。

「蹴散らせばよいことです!いつものように!」

「今回は…なにやら 大掛かりなからくりを造ってきたようだ。城壁が突破された。」

「…っ!」

「すでに 民たちを避難させるよう とりはからせました。
 城内にも 我ら以外は 残ってはならぬと命じました」

「王妃様!では、皆様も!私が、必ず警護させていただきます!」

 暁人の言葉に お母様が、静かに微笑まれる。

「私たちが逃げれば、猛弧軍がついてきます」

「それでは、せっかく逃がした 民たちにまで危険が及ぶ」

「王様!?」

「暁人…。美穂を頼む。」

「…え?」

「人の上に立つ者には それに伴う義務があります」

「だが、美穂は、まだ12」

「私たちとともに行くことはありません」

 お母様が 装備されていた弓を取り外す。

「美穂。あなたなら、この弓の本来の力を 引き出せましょう。いずれ、あなたを助けるはずです」

「そなたは神還りの娘。こんなところで ムダに命を落としてはならぬ」

「お。お父様!お母様!?」

「美穂。愛しています。どうか、幸せに。」

「この身は滅すとも 魂となって 常に そなたを守ってみせよう」

「い。いや!いやです!わ、私!私も!」

「さようなら 美穂」

「暁人!」

「…はっ!」

 ばっと 暁人が私を背後から抱きしめる。

「え?」

 そのまま ざざっと 手すりのほうに移動する。

「あ、暁人?」

「必ず、お守り申し上げます!私の命に換えても!」

「ありがとう…。頼んだぞ」

「そなたの忠誠、忘れません」

 お父様が 壁の後ろに隠していた鎖を引いた。

 とたん
 私と暁人が立っていた床が突如 斜めに傾いた!

 ずざざーっと 下に滑っていく!!

「お父様ー!お母様ー!」

「美穂ー!」

「生き延びるのだぞ!」

 斜めになった床の向こう
 父が母が  じっと私を見つめている。

 決して 目を離すまいというように。

 からくり床の角度が変わって ついにお二方の姿が見えなくなっていく。

 急な角度で滑っていく中、暁人が全身で私を守る。
 しだいに 角度が緩やかになって やがて 地面にたどりついた。

「美穂姫!お怪我は?」

「だ、大丈夫。暁人が かばってくれたから…」

 いきなり 周囲が赤くなった!

 ―!?

 城が!

「お父様――! お母様――っ!!」

 天孫が建てたのだと伝承されてきた宮が!

 今
 ごうごうと燃えている!

「なりません、美穂姫!」

「暁人! お父様とお母様が! まだ、中に…!」

「いけません!」

「離して!! わ、私も」

「王様も、お妃様も、お覚悟の上のこと!姫が、後を追われたとて、お喜びにはなりません!」

「いや! 私も、お父様たちと!」

「いたしかたありません。姫、お許しを…!」

 ― たんっ

 ぐっ!?

 首筋に、熱い一撃を感じた!!

 …やがて

 すぅっと

 辺りが暗くなった。


























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