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「『恋だの愛だの』」
Ⅰ 四面楚歌

【1】悪事 千里を走る

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悪事 千里を走る 

  【悪いニュースほど 広がるのは速いものです】   


「かのこちゃん!」

 昼休み 食堂に入った瞬間 
 実に聞き覚えのある声で 名を呼ばれた。

「こっちの席が 空いてるよ」

 さすが放送部 城蘭 聖
 表舞台には出ないとはいえ
 腹式呼吸訓練 および 滑舌法を欠かしてないらしい。

 無駄に良く通る声に 食堂にいた全員の目が集中している。

「え?どぉして?」

「聖様が なんで あんな子に…」

 はっ!

 ばっかじゃなかろうか!

 ヤツの真の目的は
 いずれ 私の後から入ってくる椿君にある

 …にも かかわらず あえて 連れの私の名を呼ぶ あざとさ

 ナンパの達人 いわく
「二人組に 声かけるときは より顔の残念なほうから」…だ!

 椿君を確認してから
 お目当ての名を呼ばないとこに こやつの腹黒さが見える!

 …とはいえ 

 かりにも
 先輩に声かけてもらってるのに
 無視して 他の席につくなんてこと

 桃ちゃんの親友「爽やかガール」のすべきことではない!

 …それに

 これは 千載一遇のチャンス!

 お恭先輩にさせようと思ってたけど

「ありがとうございます、失礼します」

 周囲には 目当ての連中もいるし 一石二鳥!

 にこやかに微笑んで 席に着く。

 窓際の特等席
 放送部 ご一行様が独占している。 

「珍しいね、一人?椿君は?」

 絶対 来るだろう
 と わかって 声かけたくせに

「後から来ます」

 職員室に呼ばれて…なんて 理由まで教えてやる筋合いはなかろう。

「新聞部はどう?何か 困ったことない?」

 ふんっ!

 全部活動に手をまわして
 新聞部の取材拒否させた諸悪の根源が
 なぁに しらじらしいこと いってやがる!

「はい、大丈夫です。先輩方が とても 頼もしい方々ばかりですので!」

 爽やかガールスマイルで きらきらっと答えてやる。

「…あ、そ、そう…?」

 周囲の放送部員が 心なしか青ざめ
 目の前のヤツが あれ?…という表情になる

「取材は?順調?」

 問いが より 核心に近づいてきた。

「どっかの部室で『新聞部の取材お断り』の張り紙 見て心配してたんだけど…」
 
 ふふん

 来たなっ!

「大丈夫です!」

 より 笑みを深めてみせる。

「表がダメなら 裏があるって 先輩が…」

「…裏?」

「あ!い、いえ なんでもありません!」

「…?裏って…いったい…」

「おい!」

 ぐっどタイミング!

 そろそろ 来る時間だと 思ってたよ!椿君!

「おまえ 何やってる!」

 そして
 ナイス リアクションだ!

「ごめんなさい!椿君!!」

 バッと立ち上がって 椿君にすがりつく。

「…っ!?」

「わ、私 何も 言ってないから!本当に!」

「…は?」

「各部の裏ネタのことなんか ばらしてない!信じてっ!!!」

 じっと 真剣に 椿君を見詰める。

「っ?!!」

 椿君が 大きく目を見張った。

 何のこと言われてるかは まったくわかるまい。

 でも
 彼は バカじゃあない。

 だから

「…とにかく うかつに 放送部と馴れ合うな。
 同盟は組んでも、基本 ライバル同士だ」

 よし うまい!
 この状況で言える 最もふさわしいせりふだ!

「はい!ごめんなさい!!」

「ほら いくぞ」

 さっさと 私の食べかけのお盆を持ちあげる。

「ちょ 椿く…」

 ヤツが あわててとめるが

「失礼します。先輩方の前ですと 緊張して 飯のどにとおりませんので」

 棒読みで おざなりなせりふ言い放って ぐいっと私の腰を抱いていく。




「さぁて…」

 誰もこないゴミ箱近くの席に 陣取り
 椿君が 改めて 超小声で 私に 問いかけてきた。

「いったい 何の話か 教えてもらおうか!」

 内緒話とはいえ 無駄に顔が近い。
 いつも思うんだけど 椿君は もしかして 超近眼なんだろうか。

 やたら 至近距離まで 接近してくることが 多々あるのだ。
 
「いざとなれば…」

 すっかり 腰がよわくなったうどん すすりながら答える。

「取材拒否してる部活 つぶせるだけのネタは にぎってるってこと」

「はぁ…?」

「裏で 糸引いてる首謀者は いるようだけど…」
 
 これだけは 自分で作ってきた おにぎりにぱくつく。

「表から取材させてくれないんなら そこを 徹底低に追及して…」

 ふっふっふ

「宝高全部をてんやわんやさせてみるのも おもしろいかも…!」

 風雲急を告げる 戦国時代!
 …を 演出してやるのも ありかも…っ!

 くっくっくっくっく!

「…っ!!」

 ざっと 椿君が 上半身をのけぞらせる。

「(黒い!闇より黒い!性格の悪さが 一気に凝り固まった黒さだ!)」

「ん?なんか言った?」

「…いや…」

 ふぅっと ひとつ 深いため息ついてから また 椿君が 顔を近づけてくる。

「でも それ やたら めんどくさそうだ。おまえのテスト勉強の時間が…」

「あのねぇ 椿君」

「ん?」

「何のために あんな あほ丸出しな おバカな演技してみせたと思うの 公衆の面前で」

「…はっ…?」

「苗床さん!椿君!ここにいたんだね!」

「…部長?」

「ずいぶん、うれしそうですね」

「それがね!ついさっきから 各部の部長が 続々と 僕のとこに来て、
 『ぜひ 新聞部の取材に応じたい いや 取材にいらしてください!』って…!」
 
「…っ?!」

「よかったですね!部長!」

 ふふん
 早速 動いたか

 くさい演技してやった かいはあった

 喜びに顔をほてらしている部長に微笑みかける。

「きっと 部長の誠意が皆さんに伝わったんですよ!」

「あ、ありがとう!苗床さん!」

 ぎゅっと 部長が私の手を握る。

「君の励ましに力づけられたんだ。だから、君のおかげだよ」

「いえいえ 私なんて 何にも」

 周囲に 大半の部の長がいること確認して
 暗に「表から取材させないなら 裏ネタばらすぞ」と警告しただけのこと

「君が来てから いいことづくめ。君は 新聞部の女神様だよ」

 その目が きらきら光ってる
 よほど 取材できることが うれしいらしい。

「…いや…僕にとって…なのかな…。とにかく 君がいれば…」
 
 部長の手の力が 強くなる。

「部長!すみませんが!」

 部長が なにやら小声でつぶやいてる途中で
 べりっと 椿君が 私を 部長から ひきはがす。

「俺たち まだ 食事の途中なんで…!」

「あ、ああ そうだね。ごめんね!」

 はっと 我に返った様子で 部長が自分の手を見ている。

「あ、あの 苗床さん じゃ 放課後 部室で」

「はい!取材 がんばりましょう!」

「そうだよね!じゃ!!」

 足取り軽く 部長は 食堂を出て行った。

「あのやろう!ナチュラルに 俺を無視しやがって…」

「部長は フェミニストだからね。ひがみなさんな」

「…はぁぁ…」

「?なに そのため息」

「いや…この調子で あと何匹くらい 出てくるのか…と」

「…は?」

 ぼかっ
 
 っ!?

「なんで?!なんで なぐるの!?しかも グーで!」

「待ってろっていったのに 俺おいて 先に食堂に行った罰!」

「はぁぁぁー!?」

 何!?その俺様発言!

「椿君って ほんと 自己中なわがままキャラだよね!!」
 
「おまえにだけは 言われたかねーよ!」 

 はぁぁ

 よくこんなヤツの友だちやってあげてるよ、我ながら!

 ホント 世話が焼けるっ!!



















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