スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←【1】悪事 千里を走る →【3】はかりごとは 密なるをもってよしとす
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【【1】悪事 千里を走る】へ  【【3】はかりごとは 密なるをもってよしとす】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「『恋だの愛だの』」
Ⅰ 四面楚歌

【2】将を射んとせば 先ず馬を射よ

 ←【1】悪事 千里を走る →【3】はかりごとは 密なるをもってよしとす
将を射んとせば 先ず馬を射よ

         【目的の人物がいるなら まず その人物が頼りにしているものを先におとせ】


 

「部長 今 来ますニャン!」

「一人か?」

「ニャン!椿のヤツは 職員室に呼ばれて…」

「『待ってろ』と 声かけられたのに『席 取っとくー』って さっさと」

 すっと 手を上げて 猫兄弟を黙らせる。

 くだんの噂の主がやってきたのだ。

 ちんまりした おかっぱ頭 黒ぶちメガネ
 椿初流が 横にいない限りは その他大勢に埋没する 地味な女だ。

 ところが…だ

 あばたもえくぼ
 蓼(たで)食う虫も好き好き

 ラブ イズ ブラインド 

 なんと
 椿 初流は このめがねチビ娘を好きらしい

 椿 初流(つばき はる)

 入学式のときから 注視の的だった

 容姿端麗 眉目秀麗
 頭脳明晰(全国でも 1、2を争う 超進学校で 学年25位)
 スポーツ万能(なんせ マラソンで この俺をふりきって 全校1位っ!)

 老若男女を問わず 人目をひきつける カリスマ性高い美少年

 だが 悲しいかな
 女を見る目だけは どこか 重大な欠陥があるようだ

 …まあ 仕方ない

 将を射んとせば 先ず馬を射よ

 まずは この子をてなづけることだ!

「かのこちゃん!」

 自分の名を呼ばれて 彼女がこちらを向いた。

「こっちの席が 空いてるよ」

「ありがとうございます、失礼します」

 彼女は にこやかに微笑んで 席に着く。

 …あれ…?

 やけに 落ち着いてる

 たいていの女なら
 俺に 声かけられたら 恥じらったり そわそわしたりするんだ…が?

「珍しいね、一人?椿君は?」

 遅れて来るのは わかりきってるが 問いかけてみる

「後から来ます」

 …だろうとも!

 なんせ
 彼が 職員室に呼ばれるようしむけたのは、俺だからな。

 こうでもしないと 彼は この子から 絶対 離れないし!

「新聞部はどう?何か 困ったことない?」

 全部活動に手をまわして
 新聞部の取材拒否させてるから 大いに困ってるはずだ

「はい、大丈夫です。先輩方が とても 頼もしい方々ばかりですので!」

 くったくない笑顔が返ってきて とまどう。

 地味な女だが
 さすがに 笑い顔は可愛い…と いえなくもない。

「…あ、そ、そう…?」

 …あれ?

 おかしいな。俺に逆らうような部なんかないはずなのに!

「取材は?順調?」

 用心深く 問いを重ねる。

「どっかの部室で『新聞部の取材お断り』の張り紙 見て心配してたんだけど…」
 
「大丈夫です!」

 彼女の笑みが さらに深くなった。

「表がダメなら 裏があるって 先輩が…」

「…裏?」

 って、何だ!?

「あ!い、いえ なんでもありません!」

 しまった!…という表情で 彼女があわてて顔を伏せた。

「…?裏って…いったい…」

 そのまま うどん食べるフリをしてる彼女を さらに追求する。

「おい!」

 …!

 ちっ!

 来たか 椿!

 肝心なとこで!
 なんて 最悪なタイミングだ!

「おまえ 何やってる!」

 いかにも彼女を怒ってるようにみせかけてるが
 椿の剣呑な目は まっすぐに 俺をにらみつけている。

 目が口ほどに語ってる。
 『俺の女に 手を出すな!』…だな、こりゃ。

「ごめんなさい!椿君!!」

 彼女が バッと立ち上がって 椿にすがりついた。

 さわっと 食堂中の空気が揺れる。

「わ、私 何も 言ってないから!本当に!」

 彼女が 必死に 椿に 言い訳している。

「各部の裏ネタのことなんか ばらしてない!信じてっ!!!」

 『裏ネタ』!?

 彼が 大きく目を見張った。

 …これは…

「これだから 女は!今ので 半ば ばらしちまってるんだよ!」

 …か?

 しかし

「…とにかく うかつに 放送部と馴れ合うな。
 同盟は組んでも、基本 ライバル同士だ」

 そういいながら
 椿は 優しく 彼女の頭をなでて ひしと抱きしめた。

 …溺愛だな…こりゃ。

 食堂中のどよめきは ますます でかくなった。

 なるほど
 そんな責めるような言葉
 さすがに 惚れた女には いえなかったらしい。

 もしくは そんなこといえば さらにまずいと思ったか…。

 だが 俺の目に狂いはなかった!

 椿初流 
 彼が 影で糸をひいてる。

 実質 新聞部を牛耳ってるのは ヤツにまちがいない。

 とんだ策士だ!

「はい!ごめんなさい!!」

 チビでおばかな女は すっかり恐縮してる。

「ほら いくぞ」

 いいながら 椿は
 さっさと めがねちびの食べかけのお盆を持ちあげた。
 
「ちょ 椿く…」

 あわてて とめたのだが

「失礼します。先輩方の前ですと 緊張して 飯のどにとおりませんので」

 まったく心のこもらないせりふ言い放って
 ちゃっかりと 彼女の腰に手を回して
 …いわゆるカップル抱きで ついたて向こうの下座席に去っていった。

 あの女
 あんなことや こんなこと されてて(俺が目撃しただけでもけっこう)
 椿の気持ちには まったく 気付いてないとは…ホントに 鈍感で おバカな女だな!

 いや
 それどこじゃない!

「放送部員!手分けして 各部長のとこに回れ!
『同盟を結んだので、前の指示は撤回する。新聞部の取材に協力してやれ』と」

 放課後には この噂が広まってる。
 各部は 新聞部を恐れて 取材を受けるようになるだろう。

 放送部の権威が 損なわれる前に…!

「聖。もう各部の部長 動いてる。自分の意志で」

 携帯から 耳をはなして 姫が冷ややかに言い放った。

「話の途中で もう 食事途中で 飛び出してったから。ここに居合わせた各部の部長たち。
 ここにいなかった残りの半分も 動き見てあわくって新聞部部長のとこに駆け込んでるって」

 …っ!!

 はっ!

 やられた!

「…何 笑ってるのよ、聖」

「ますます ほしくなったよ!椿 初流!!」

 それには まず
 なんとか あの おバカ娘をおとさないと…な!

 いまのとこ
 彼女以外に 君の弱点は 見つけられなさそうだからね。























 


 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
総もくじ 3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
総もくじ  3kaku_s_L.png 松蓮聖戦
もくじ  3kaku_s_L.png 天地の詩
もくじ  3kaku_s_L.png 宝物
もくじ  3kaku_s_L.png 献上品
もくじ  3kaku_s_L.png 単発SS
総もくじ  3kaku_s_L.png 『恋だの愛だの』
もくじ  3kaku_s_L.png ツイッター
もくじ  3kaku_s_L.png バトン
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【【1】悪事 千里を走る】へ  【【3】はかりごとは 密なるをもってよしとす】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【【1】悪事 千里を走る】へ
  • 【【3】はかりごとは 密なるをもってよしとす】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。